運用に関わる人たちが「快適に使える」システムに
数多くのコンテンツや多様なツールを対話のスピードに合わせて操作するためには、営業マネージャーを含めた運用に関わる人たちができるだけ快適に使えるシステムにしなければなりません。そこが単純にビュアーとしてカタログやパンフレットのファイルを入れてあるだけのタブレット端末と違うところです。
前章のイントラネットの話で、タブを使ったページデザインで見たい内容がどこにあるか把握しやすくなったことを紹介しました(本書籍をご覧下さい)。部門別に、製薬業界の営業職であるMR、マーケティング、開発というタブがあるだけでもアクセスがしやすくなり、利用率が上がりました。
2000年代前半のウェブサイトではほとんどなかった情報アーキテクチャとデザインですが、誰もが視覚的に理解できるように分類をタブに置き換えた形です。今では多くのサイトで使われるようになり、その効果は時代が証明しています。
同様にタブを使った情報を整理する仕組み(情報アーキテクチャ)を用いた「インタラクティブプロ」は製薬業界では20社以上で導入されておりますが、「このアプリケーションの使い方は知っているので説明はいりません」とお聞きすることもたびたび出てきました。
使い方が簡単で覚えているからこそ言っていただけると思っています。ましてや、製薬業界や金融業界でこのインターフェースを1社たりとも変更していないのが完成度の高さを評価されていると思います。
使いやすい仕組みの裏側は「複雑」になりがちだが・・・
ところで、コンテンツ(スライド)のデザインも同様に、アクセスしやすく直感的に操作できるような工夫が必要です。企業によってはスライドのデザインガイドラインをまとめている会社もあります。
また、目的の場所に簡単に登録できる仕組みがあれば、コンテンツの登録者が自分で入れやすいようにドラッグして放り込んでいくだけの感覚で使えるようになります。使い手が便利と感じられるように工夫すればするほどユーザーは使うようになります。
また、使いやすい仕組みの裏側はどうしても複雑になります。このようなシステムを各社が社内で構築するのは簡単なことではないと思います。ましてや、マルチプラットフォームのデータベースコンテンツを、保守を考えて社内で作ることはかなり難易度が高いと思います。
SFAやCRM用のシステムでも、パッケージ商品によって使い勝手が異なります。営業現場で使うITシステムも、今後さらに種類が増えていくかもしれませんが、使いやすさにどこまで配慮した仕組みになっているかが選択のポイントになります。
例えば弊社の「インタラクティブプロ」のように、タブデザインが標準仕様になっていれば、自社の部門名を入れるだけで基本的にはそのまま使えます。コンテンツの簡易アップロードの仕組みも始めから用意してあれば、IT部門や営業システム部門でつくり込む必要はありません。
ドラッグすれば自動的に掲載されて、社内の全員が最新のものを見られるパッケージシステムは、導入時の時間や手間が削減できます。ITシステムは、利用者にも運用する側にも負担がかからないものでないと、結局活用されずに放置されてしまいます。
システム導入後の利用率はこの〝負担のかからないコンテンツ掲載〞と〝タブレットを生かしたユーザーの利便性〞のバランスがよくできているほど高くなります。