前回は、なぜ今「区分マンション」の高値売却が可能なのかを説明しました。今回は、「2018年」が不動産価格上昇のターニングポイントとなる理由を見ていきます。

2018年までは「金融緩和政策」が続く!?

2012年暮れ頃から始まったアベノミクス政策や、日銀による金融緩和の影響で、不動産事業において資金調達がしやすい状況が続いています。

 

今後は規制緩和がさらに進んでいく可能性もあり、脱デフレから一転して、インフレになることが予測されています。インフレになれば物価が上がるため、不動産価格も当然上がっていくことでしょう。

 

そして再来年の2018年は、日銀の黒田東彦総裁と安倍晋三総理が任期を迎える節目の年です。そこまでは金融緩和政策が続くだろうと予想されています。つまり、現時点で不動産の売却を考えると、今年から2018年が一番良い時期なのです。

 

実際、区分ワンルームの売却価格は、3年前と比べてエリアによりますが、上がっているケースも多いです。

 

[図表]3年間で、販売価格が140万アップした事例

2013年に、1650万円で成約
2013年に、1650万円で成約

 

2016年に、1790万円で成約
2016年に、1790万円で成約

 

金融情勢の変化によって、不動産の購入希望者が増えており、海外投資家からの需要も高まっています。そうなると、不動産を所有している売り手側が圧倒的に強くなるのです。

東京オリンピックの影響で新築市場は高騰しているが…

では、新築市場はどうかというと、東京オリンピックの開催決定で建築費が高騰しています。円安による資材の値上がりに加え、施工業者の人手不足で人件費増になっているのが大きな要因です。

 

そのため新築物件の価格は高くなり、供給戸数が減少しています。昨年の首都圏におけるワンルームマンションの新築供給戸数は年間6000戸でしたが、多い年になると約7000戸を超えている状況です。

 

たとえば、サラリーマンが投資用にワンルームマンションを買う場合、新築は高いため中古物件へ流れます。しかし中古物件は数が少なく、価格も上がっているので、投資用としては収支が合わなくなってしまいます。こうして、「買いたくても買えない」投資家が増えているのです。

 

かつてを振り返ってみましょう。2008年にリーマンショックが起こる前までは、好景気の時代でした。しかし当時の不動産価格を見比べてみると、価格の伸び率は、今のほうが高いのです。

 

私の予想では、2018年までは不動産価格は右肩上がりに上昇するでしょう。恐らく2017年頃から、物件が一気に売りに出されると考えています。

 

そうなれば、市場は一転して供給過多となり、2018年頃には値崩れを起こす可能性もあります。なるべく早めに、売却への動きをスタートさせるのがベストです。

本連載は、2016年8月13日刊行の書籍『その区分マンションは今すぐ売りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

渡邊 勢月矢

幻冬舎メディアコンサルティング

区分マンション投資にはリスクがあります。 たとえば新築で区分マンションを購入し、サブリース契約がついている場合。見掛け上家賃収入が入る状態でも、物件本来の収益性が低いケースがあります。また収益性向上のためどんな…

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