区分マンションの借り換えは、基本的に難しい
私の経営する会社では、顧客から「金利負担で収益が圧迫されている。何とか借り換えができないだろうか」といった質問を受けることがあります。
確かに今は、「超」がつく低金利時代です。住宅ローンであれば、現在のように金利が下がってきたタイミングで、安い金利に借り換えるという方法がとれます。
むやみに借り換えればいいということではなく、目安として「融資期間の残りが10年以上ある」「残債が1000万円以上ある」「現在の住宅ローンの金利差が1%以上ある」この3つの条件を満たしている場合は、借り換えのメリットがあると言われています。
また住宅ローン以外にも、一棟アパートやマンションで金利交渉をしたり、借り換えを行っている不動産投資家もいます。しかし区分マンションは、基本的に借り換えが難しいものです。
不動産投資における融資付けは、以前は「なかなか借りられない」という印象がありました。しかし、ここ数年は、ノンバンク以外にもメガバンク・地方銀行・信用金庫と様々な金融機関が門戸を開いています。
その中で、日本の公的な金融機関である「日本政策金融公庫」は、比較的金利が安く借りられます。
もちろん、事業ですから、きちんと事業計画書を出して借り入れすることは可能です。しかし、個人での上限は4800万円と決まっているうえに、無担保枠は2000万円。また物件評価に関して言えば、一般的な銀行に比べて厳しめなので、新築区分マンションではほぼすべてが担保割れします。
それはすなわち、お金を借りるための担保となる不動産に価値がないので、「足りない分は自己資金を出してほしい」という意味です。
資金が必要ならば、いっそ売ってしまったほうが…
結局のところ、現金がなければ、資金を調達することは困難です。そもそもお金がないから借金をするのですから、一見矛盾するようですが、実はそれが現実なのです。
実際には、月々のサラリーで借金を返せるような力や、物件自体で借金を返済できる力(担保力)がないと、金融機関からの融資は受けられないのです。そんなわけで、なかなか借り換えが難しくなります。
結局のところ、資金が必要ならばいっそ売ってしまったほうがいい、というのが結論なのです。