前回は、売却、買い替えなど、所有物件で最大の利益を出す選択肢の選び方を解説しました。今回は、投資物件の「損切売却」をリカバーする方法を見ていきましょう。

損切売却を回避できる5つのケース

高く売ることができればいいですが、買値よりも安く売る・・・損切売却はできればしたくないものです。

 

そこで、多くの不動産オーナーは「何とかリカバーできないものか」と考えます。リカバーについては、いくつかの方法がありますが、以下のケースが該当します。

 

<リカバーできるケース>


①キャッシュがあれば、繰上げ返済で毎月の収支を改善可能
②キャッシュがあれば、買い替えて収支改善が可能
③物件の立地が悪くても、店舗であれば台湾人投資家へ高値売却
④管理組合の合意がとれれば、民泊への転用可能
⑤開発地域であれば、高額売却が可能

 

それぞれ解説していきましょう。

資金に余裕があれば、現金を使ったテコ入れが可能

①キャッシュがあれば、繰上げ返済で毎月の収支を改善可能

 

現金があれば、繰上げ返済を行うことで、毎月の収支を改善することができます。給料も上がっていって、貯金もある・・・つまり、本人に体力があるというケースであれば、物件自体は赤字でも、現金を使ったテコ入れによってリカバーができます。

 

たとえば2800万円で買って、頭金100万円で2700万円のローンを組んでいる場合、1000万円の貯金を使って繰上げ返済をして、残債を1700万円に減らすことができれば、収支バランスも合うようになります。

 

そもそも、なぜ持ち出しが出てしまうのかと言えば、購入時に自己資金をほとんど使わずにフルローンを組んでいるからです。そのため月々のローン返済が多くなり、家賃の収入よりも支払いが多くなっているわけです。

 

それを逆転させるには、繰上げ返済を行って残債を減らすことです。そして、ローン返済を家賃収入でまかなえるように改めることです。

 

本業の収入に余裕があって、預貯金を繰上げ返済に充てることができるオーナーであれば、このようにして売却運用率とリスクパーセンテージを下げることが可能です。

 

結局のところ、たとえ利回りが低くても、収支が合えばやっていけるのです。月々の採算が合って、月々のキャッシュフロー(家賃収入から経費・税金を差し引いた残り)が残るようになれば、投資として成立するわけです。

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2016年8月13日刊行の書籍『その区分マンションは今すぐ売りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

その区分マンションは 今すぐ売りなさい

渡邊 勢月矢

幻冬舎メディアコンサルティング

区分マンション投資にはリスクがあります。 たとえば新築で区分マンションを購入し、サブリース契約がついている場合。見掛け上家賃収入が入る状態でも、物件本来の収益性が低いケースがあります。また収益性向上のためどんな…

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