不動産の売り時には「客観的な判断」が必要
不動産オーナーにとって、自分の所有物件を売るべきか、それとも持ち続けたほうがいいのか、判断するのは難しいものです。
市況から言えば、今は絶好の売却チャンスです。しかし、「区分マンションはすべて売るべし」というのはいささか乱暴ではないか、というのが私の見解です。なぜならオーナーによって、資産背景や投資への考え方は異なるからです。表面的な数字のみならず、物件を多方面から分析して、客観的に判断しなければいけません。
収益、ランニングコスト等から「現状」を分析
そこで、私が経営する会社では、不動産オーナーに対して「物件診断」を提案しています。その際に使っているのが、「投資指標ヒアリングシート」です。
自分の所有している区分マンションの現状を把握するため、実際に数値を確認してみましょう。
まず確認するのは、収入です。月額家賃がいくら入っているのかは当然ですが、サブリースなのか普通借家契約なのかといったことについてもチェックします。
続いて、ランニングコスト。管理費・修繕積立費、集金代行手数料(管理委託費)、固定資産税.都市計画税といった区分マンションに関わる支出を洗いざらい書き出してください。
最後は、ローンです。どのような融資条件なのか、残債、月々の支払い額などを確認します。そこから試算を行っていきます。
多くの不動産オーナーは、そういったことを「何となく」しか理解していません。一度、収支に関わるすべてを棚おろしすることで、自分の置かれた状況が把握できるのです。
シビアな数字が並ぶこともありますが、まったく知らないうちに赤字が累積されていることに気づくオーナーも少なくありません。早めにケアすることで、損を食い止めることが可能になるのです。