「要望への細やかな対応」で会社の知名度がアップ
前回の続きです。
お客様に自社の存在を知ってもらう手段として、私の会社では『まごの手宅配便』というサービスを提供しています。これは、お客様の住宅や暮らしに関する”ちょっとした困りごと”を解決するというサービスです。「痒いところに手が届く」というコンセプトから『まごの手宅配便』と名付けました。
地域一帯にチラシを配り、「ワンコイン500円(現在は1000円)で、暮らしのお困りごとを何でも解決・お手伝いします!」ということを強くアピールしました。すると、「本当に何でもやってくれるの?」「こんなつまらない頼みごとでも受けてくれる?」と、お客様からの問い合わせが来るようになりました。
私たちにできることなら基本的にどんな要望にもお応えします。たとえば、電球交換などのちょっとした修繕や、トイレの清掃、家具の組み立て、庭のお手入れ、買い物代行まで、お試し価格で行っています。
お客様の希望の日時にスタッフ1名がお宅に伺い、最大90分まで作業をさせていただきます。材料費がかかるものについては実費を頂戴しますが、出張費・繁忙期割増などその他の費用はかかりません。
気に入ってもらえれば会員登録をしていただき、次回以降は年会費1万2000円で6回のサービス(1回最大90分)が利用可能になります。
なぜ『まごの手宅配便』のサービスを始めたのか、なぜトライアル価格を500円(現在は1000円)に設定したのかなどについては、私なりの明確な理由と根拠があります。そこがこのビジネスモデル最大の戦略なのですが、それについては本書の第3章で詳しくお話しすることにします。
まずは「お客様第一」の姿勢を見てもらう
おかげさまで、このサービスを始めてから地元での知名度はグンと上がりました。私の会社がある埼玉県さいたま市は、全世帯数が約56.8万世帯(平成28年9月1日)ですが、現在『まごの手宅配便』の会員登録数は3500件超、年度更新率は96.3%です。
このように、多くの人々が潜在的に抱えているニーズを掘り起こし、それに丁寧に応えていけば、普通に営業をかけていたら門前払いのお客様を新規顧客として獲得できます。まずは、こちらの売りたいものをおすすめする前に「お客様第一」の姿勢を見てもらうことから始めるのです。