そもそも「借入金」と「資本金」の違いとは?
前回の続きです。まずは徳川さんの立ち上げる予定の高級バーから。
以下の図表は、その高級バーの損益を表したものです。元手として借入金2億円が計上されています。元手とは、商売などをはじめようとするときに必要なお金、資金のことです。元手は、大きく分けて2つの集め方があります。
[図表]損益計算書から日々の商売を想像してみよう!
ひとつは、銀行などから借りる「借入金」。他人資本とも言います。もうひとつは、自分のお金を充てる「資本金」。自己資本とも言います。
借入金の場合は、借りたお金そのものを元本と言いますが、元本と利息を返さなくてはいけません。資本金の場合は、そのお金をどこにも返す義務はありません。自分のお金ですからどこにも利息を支払う必要はないのです。
元手の3割の資本金を用意し、借入金を抑える中山さん
ただし、資本金の場合は、会社の儲けの一部を、資本金を融通した自分やその他の人(出資者と言います)に配当というかたちで支払うことが期待されます。ただ、借入金の元本や利息のように、外部からきっちりいくらと決められているわけではありません。
<POINT>
事業資金には資本金(自己資本)と借入金(他人資本)があり、資本金には返済義務がなく、借入金には元本と利息の返済義務があります。
次に、中山さんが開業する予定のそば屋の損益を見てみましょう(上の図表を参照)。元手は1000万円と、徳川さんの高級バーよりもだいぶ控えめです。しかも、元手のうち3割は資本金を用意し、借入金を抑えているのがわかります。
この話は次回に続きます。