失敗から立ち直る、逆境をはねのける力がついたのは・・・
「成功する」「お金持ちになる」。そのために重要なのは、何をおいても〝学び〟だと、私は自分の経験を通じて痛感しています。
筆者著書『お金を稼ぐ人は何を学んでいるのか?』の「はじめに」でも少し触れましたが、私自身、ハッキリ言えば学がありません。大学には通っていませんし、高校時代も勉学に打ち込むどころか、勉学に正面から向き合うことがなかったと言っていいほどです。学歴社会のなかでは、完全に「落ちこぼれ」と言えるでしょう。そんな私も、今では複数の会社を立ち上げ「起業家」を名乗ることができています。
もちろん経営者としての失敗もありましたし、起業からずっと順風満帆だったわけではなく、一時は億単位の借金を抱えて途方に暮れることもありました。そんな私が失敗から立ち直ることができたり、逆境をはねのけて今の状態に身を置くことができているのは、学校の勉強とはまるで異なる生きた勉強、実社会で役立つ勉強を続けたからです。
その勉強を通じて、知識を蓄える以上に、人間的な成長もできていると感じます。高校時代の私が今の自分を見たら、きっとその違いに驚くはずです。だから私は「お金を稼ぐ人は何を学んでいるのか?」というテーマで著書(『お金を稼ぐ人は何を学んでいるのか?』)を執筆するにあたり、まずは〝学び〟の重要性を強く主張したいと考えました。学びを重要視するというのは、お金を手にするための最短距離でもあるのです。
「学び」のベースには「模倣」がある
もちろん、独学や独自の手法で成功を収める天才肌の人物もいますが、多くの成功者は、先人の成功哲学や成功のための行動理論を、自分なりにアレンジして活用しています。ためしに手元の辞書を引いてもらえればわかりますが〝学び〟というのはベースに模倣があるものです。
たとえば『大辞林 第三版』(三省堂)には、次のようにあります。
思い返せば、五十音を覚えるとき、誰もが手本となる五十音表を横に置いて、そこに書かれた文字をそのまま書き写すようにして覚えたのではないでしょうか。
「見よう見まね」から入って体得するという経験は、誰もが繰り返してきたはずです。野球少年であれば、イチロー選手の振り子打法をまねしてみたり、松坂大輔投手のピッチングフォームをまねしてみたりしたでしょう。
そのままトレースすることはできなかったとしても、この〝学び〟によってバッティング理論やピッチング理論を学ぶきっかけになったという人もいるでしょうし、自分に向いているのは打者なのか投手なのかといったことを知ることもあったでしょう。職人の世界などでは「習うより慣れろ」「見て盗め」というような言葉が用いられますが、他人のまねをしてみるというのは、いわば学びの第一歩です。