私にとって最初のメンターは、元経営者のホームレス
前回の続きです。
私にとって最初のメンターはホームレスのおじさんでしたが、幸いなことに、このおじさんは現役ではないとはいえ、経営者としての経験がありました。
当時の私は、経営の「け」の字も知りませんでした。だからホームレスになっていたのですが、その私に元経営者のホームレスのおじさんは、自身の体験談として、私が知らないさまざまな世界を教えてくれたのです。
再チャレンジの熱意が高まりつつあった私にとって、このメンターの体験談は貴重で有意義でした。そこには成功体験とともに失敗談も多く含まれていて、社会的にひよっ子だった時代の私にとって、大いなる指針を与えてくれるものでした。
今後の、もしくは今の自分に必要なことを教えてくれるのが師匠だとすれば、まさしく彼は適任でした。社会復帰へのモチベーションを上げてくれたし、復帰後に起業しようという目標を与えてくれたし、起業後のノウハウも教えてくれたからです。
「制約」を外せば、出会いは飛躍的に増える
「メンターはこういう人じゃなければならない」
そういう制約を外してみると、自分のためになる師匠の数は飛躍的に増えると思いますし、そんな出会いのチャンスも膨みます。最初のうちは、もっと単純に、
「自分に備わっていないものを与えてくれる人」
「自分に足りないものを補ってくれる人」
といった基準で、メンターを探してみるのもいいかもしれません。私の場合は、結果的に世界の超一流から学ぶ、というところに落ち着きましたが、最初からそうしていたわけではなく〝学び〟を継続していくなかで自然とそういう方向に導かれていきました。
この場合も、コツコツとグランドフィナーレに向かうのが大切なことと言えるでしょう。いきなり超一流の教えを授かるより、段階的に理解を深めて最後にラスボス的なメンターの教えを乞うほうが、吸収も理解も早いからです。