豊富な事例を「先人たちの失敗談」から手に入れる
”学び”によって、先人たちの知恵や技術をトレースし、自分なりのアレンジを加えていく。これがお金を手にする最短距離であることは何となく察しがつくでしょう。しかし、それ以上に重要なこともあります。
それは「失敗例を学ぶ」ことです。誰しも失敗はしたくありません。失敗するとしても、ダメージは最小限に抑えたい。常にノーダメージにする、リスクを取らないという選択もありますが、これを突きつめていくと「何もしない」ことになってしまいますから、多少なりともリスクがあることは念頭に置かないと、話は始まりません。
そこで効果的に活用できるのが「先人たちの失敗談」なのです。
「こういう考えで行動すれば、こんなリスクが生じる」
「こういう選択をすると、こんなしっぺ返しがある」
こういった事例を”学び”によって豊富に手に入れられるのです。失敗例を独学で学ぼうとしたら、当然ですが自ら失敗を経験しなければなりません。そのために費やすエネルギーとコストも、何より時間がかかりすぎてしまいます。”学び”に身を委ねれば数日で知ることができる失敗例を、実践で知ろうとしたら、せいぜい数種類の、下手をすれば一生かけてひとつだけ、といった乏しいデータしか入手できません。
失敗の「回数」「確率」を減らしていくことが重要
「失敗は発明の母」という言葉で有名なのは発明王トーマス・エジソンですが「発明」という言葉を「お金」という言葉に置き換えたとき、これは失敗を知ることもお金を手にするために重要なファクターだという意味になります。
実際、彼も発明による特許料などでお金を手にすることを念頭に置いていなかったはずはありませんし、本当に慈善事業としか考えていないのであれば、そもそも特許を申請するまでもなく自由に技術を利用させていたはずですから、この置き換えは、あながち間違っていないとも思います。
話が逸れましたが、一度の成功のために、いちいち失敗していては効率的ではありません。だから成功例を学ぶとともに、失敗例も学ぶということは重要です。そして先人の失敗に学んで、なるべく失敗の回数や確率を下げていくというのが、じつは”学び”のなかで重要な要素です。
なぜ、このようなことを書くのかといえば、私自身が自覚して”学び”と向き合う前に、先に書いた億単位の借金を背負う大失敗を経験しているからです。この大失敗を乗り越えて、私は意識的に”学び”と向き合うことを心に決めて、それを実践してきました。そして現在も継続しています。
”学び”にも累計で億単位のお金を投じていますが、大失敗で背負わされた借金と比べれば、使い道の質がまったく異なりますし、その学びによるリターンも、今のところ十分すぎるほどと言えます。