今回は、株式、分配型投資信託といった代表的な投資商品の安定性について見ていきます。※本連載では、株式会社ベルテックス代表取締役・梶尾祐司氏の著書、『20代、30代の大家が急増中! 勝てる不動産投資』(株式会社パレード)の中から一部を抜粋し、若年層の資産形成に最適な不動産投資術を解説します。

インフレには強いが、素人には判断が難しい株式投資

代表的な投資には、株、投資信託、債券、FX、先物取引などの金融商品で増やす方法があります。それぞれについて安定性という観点から見ていきましょう。

 

株式が有利なのは、インフレに強いこと。

 

なぜなら、企業の業績は物価と連動しているからです。物価が徐々に下がっていくデフレのときは、モノの値段がどんどん下がり、安売り競争になるので、企業もそれにともなって苦しくなっていきます。

 

ところが、物価が上昇すると、企業は商品の値段を上げることができます。それによって収益がよくなり、業績が向上します。

 

株価はその企業の業績に連動しているので、企業が儲かれば株価も上がる仕組みです。

 

モノの値段が上がるインフレのときには株価も上昇するのは、過去のデータからも明らかです。

 

株式に投資をしていれば、インフレとともに株価が上昇し、資産価値が上がるので結果的にインフレに対抗できることになります。

 

ただし、すべての企業の株価が上がるわけではありません。そのような企業を見つけようとしても、なかなかできるものではありません。日々の世界マーケット環境を熟知していても、将来の株価を予想し当てるのは、なかなか難しいのです。

 

書籍『20代、30代の大家が急増中! 勝てる不動産投資』第1章で述べましたが、日本の株式市場は米国の株式市場の影響を受けやすい傾向にあります。トランプ大統領の就任によって、米国の株価が上がっているので、日本の株価も上昇していることからも分かります。

 

予期せぬ出来事によって大きく変動するのも株価です。

 

プロでも判断が難しい世界に、素人が堅実な資産運用をするのは至難の業かもしれません。本当の余裕資金で楽しみながらゲーム感覚で投資をするのならまだしも、日中働いている会社員には時間的に限界があります。

 

安全性という観点から、将来必要となる老後資金などを運用するとなったら、ちょっと向いていないかもしれませんね。

配当がゼロになる可能性もある「分配型投資信託」

分配型投資信託の場合はどうでしょうか。

 

比較的高利回りであることから人気を集めています。市況がよいときには、利回りが10%以上になるものもありますが、市況が悪くなると元本を削って配当を出している投資信託も多くあります。

 

通常は元本を運用してそれで稼いだ利益を配当として分配するのですが、利益が上がらない場合には、元本を削って特別配当として分配を出していくのです。

 

元本がどんどん減っていくと投資信託の基準価格も下がっていきます。これでは自分で自分の貯金を使っているのと同じです。また、頼みの配当も大震災や金融危機などの大きな変動があったときには、ゼロになる可能性があることを考慮する必要があります。

 

 

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本連載は、2017年7月25日刊行の書籍『20代、30代の大家が急増中! 勝てる不動産投資』(株式会社パレード)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

20代、30代の大家が急増中! 勝てる不動産投資

20代、30代の大家が急増中! 勝てる不動産投資

梶尾 祐司

株式会社パレード

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