前回は、入居者が賃貸住宅を選ぶ際の「3大基準」について解説しました。今回は、面積や設備などのメリハリが勝負となる、成功するコンパクトアパートの条件について見ていきます。

「無料インターネット設備」は必須

前回の続きです。

 

それでは、設備についてはどうでしょう。

 

大手の不動産情報会社や業界紙ではよく、賃貸アパート・マンションの人気設備ランキング調査を行っています。それだけ注目度が高いといえ、「賃料」「立地」に比べればやはり優先順位は下がるでしょうが、同じエリア内で競合する物件どうしでは、かなり大きな影響があると思われます。

 

例えば、単身者向け物件の設備でトップクラスの人気があるのが、「無料インターネット」です。インターネットはいまや仕事だけでなく日常生活でもなくてはならないツールです。特に若い世代では男性、女性を問わず、インターネットが無料で使える賃貸住宅は人気が高いといえるでしょう。


「インターネット無料」の賃貸住宅は、ただインターネットが使えるのではありません。
オーナーが使用料を負担し、入居者のためにインターネット用の回線設備を導入するものです。入居者募集にあたってはもはや不可欠です。無料のインターネット環境がないということは、それだけ競争で不利になるといえます。

 

そのほか、TVモニター付きのオートロック、浴室換気乾燥機なども最近は人気です。賃貸住宅を探すとき、入居者はどんな基準で選んでいるのか。オーナーとしては常に意識しておく必要があるでしょう。

新しい需要を開拓し、競争の少ないポジションを確保

こうした賃貸住宅市場の現在の傾向を踏まえ、「コンパクトアパート」がなぜ賃貸住宅市場における「ブルー・オーシャン戦略」なのか。第2回で紹介した4つのアクションの観点から整理してみましょう。

 

①「減らす」という点では、「コンパクトアパート」は部屋の面積を思い切って減らしています。最近の新築アパートは20㎡どころか25㎡くらいまで部屋を広くする傾向があるのに対し、「コンパクトアパート」は逆に10〜12㎡程度に思い切って抑えます。

 

②「取り除く」という点では、「コンパクトアパート」には浴室がありません。その代わりにシャワーブースを設置しています。最近の若い世代は、男女問わず冬でもシャワーだけで済ませる人が多く、あるいはスポーツジムなどに通っている場合はジムで入浴を済ませてくる人もいます。浴室がなくても不便と感じる人が減っているので、さほど問題はありません。

 

③「増やす」という点では、「コンパクトアパート」は同じ敷地面積の中により多くの住戸を入れることができます。「減らす」とは裏表の関係になりますが、部屋の面積が狭い分、5割ほど多くの部屋数を確保でき、その分、1戸当たりの賃料を抑えることができるのです。

 

④「付け加える」という点では、最新の設備関係が当てはまります。当社が企画する「コンパクトアパート」では、無料インターネットやオートロックはもちろん、宅配ボックス、TVモニター付きインターホン、キッチンにはミニ冷蔵庫などを設置しています。

 

このようにメリハリをつけることで、「コンパクトアパート」は賃貸住宅市場において新しい需要を開拓し、競争の少ないポジションを確保しているのです。

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

山上 晶則

幻冬舎メディアコンサルティング

2016年3月に不動産調査会社「タス」が行った調査によると、首都圏賃貸アパートが「空室率30%超」となっています。今後もさらに日本の人口減少は続き、その一方で貸家着工数は増え続けているため、多くの不動産オーナーが空室…

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