前回は、コンパクトアパートの外観として「シンプルモダン」がお勧めの理由を取り上げました。今回は、現代の独身層が好むアパートの素材・材質について見ていきます。

外壁、屋根、ドアなどは、一流メーカーの製品の採用を

前回述べたように豊かな時代に生まれ育った独身層は、シンプルなデザインを好みますが、同時に素材や材質へのこだわりも強い傾向があります。

 

安っぽいものはNG。外壁、屋根、ドアなどにはしっかりした一流メーカーの製品を採用するほうが好まれます。

 

〈屋根材〉

例えば、屋根材について、昔のアパートは和瓦を葺いたり、モルタル製のスレート瓦がよく使われてきました。

 

しかし、和瓦は見た目が古臭く、また重量があって大地震の際には建物に大きな被害が出る原因になります。また、スレート瓦は10年程度で塗り替えが必要となり、メンテナンスのコストがかかります。

 

それに対して、私がお勧めしたいのはガルバリウム鋼板を使った屋根材です。

 

ガルバリウム鋼板は、鉄をベースにした合金の板に、アルミ、亜鉛、ケイ素を混ぜ合わせたメッキ加工を施したものです。

 

金属製の上にカラーも様々で、見た目がシャープです。葺き方を工夫して、縦のラインを強調するとさらにスタイリッシュな印象になります。

 

また、瓦に比べて重量が圧倒的に軽く、大地震の際には建物への影響を抑えることができます。さらに耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性などによって高い耐久性を持ちます。

機能性が高く、ほぼメンテナンス不要の外壁材も登場

〈外壁材〉

外壁材では以前、モルタル塗りの上に塗装を施すケースがよく見られました。年月が経つとともにシミや雨だれができ、10年程度での塗り替えが必要になります。

 

しかし、最近はより軽量な窯業系や金属系の製品が普及しています。モルタル塗りの外壁に比べると重量が2分の1以下で、建物の総重量が軽くなります。屋根と同じようにその分、大地震の際に建物への影響が抑えられます。

 

こうした最近の外壁材は遮音性、防火性、寸法安定性、通気性、耐凍害性、断熱性などに優れ、表面に親水コーティングを施すことで雨の際に汚れを洗い流す性能を持っています。メンテナンスがほぼ不要になり、いつでも綺麗な状態を保てるのも大きなメリットです。

 

さらに、デザイン面でも石積柄、木目柄、レンガ柄など、和洋問わず多彩にそろっており、アパートのコンセプトやオーナーのセンスに合わせて選ぶことができます。

 

〈玄関ドア〉

玄関ドアの進歩にも目を見張るものがあります。

 

以前は、鉄製の扉にペンキを塗って仕上げたりしたケースがありましたが、最近はデザイン性に優れ、機能の面でも防火性能に優れたアパート用の玄関ドアがいろいろ登場しています。

 

女性の入居者が気にする防犯対策として、シリンダーが2つある2ロック仕様を選ぶことも可能で、入居者募集にあたって効果が期待できます。

 

2ロック仕様の玄関ドア

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

「コンパクトアパート」ではじめる超ローリスク不動産投資

山上 晶則

幻冬舎メディアコンサルティング

2016年3月に不動産調査会社「タス」が行った調査によると、首都圏賃貸アパートが「空室率30%超」となっています。今後もさらに日本の人口減少は続き、その一方で貸家着工数は増え続けているため、多くの不動産オーナーが空室…

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