「居住性」と「デザイン性」に配慮した室内づくり
これからの賃貸住宅市場では、一度入った入居者にどれだけ長く住んでもらうかが重要です。室内については、居住性やデザイン性に配慮するのがポイントです。
〈遮音性〉
賃貸住宅で昔から問題になるのが遮音性です。アパートなどでは音が漏れるのは仕方ないというイメージさえありました。
しかし、これからは逆です。遮音性を高めることは、間違いなく入居者の満足につながります。
例えば、隣戸との壁は界壁仕様、1階と2階の床も界床仕様とします。これらは、石膏ボードを貼った二重構造の壁や床の間に吸音材(グラスウール)を入れ、音が響きにくくしたものです。隣戸との壁については、なるべくコンセントなども設置しないようにして、音漏れを防ぎます。
そのほか、トイレには吸音材を巻き付けた防音材一体型の排水管を採用したりするのもよいでしょう。通常の塩化ビニル製の排水管より15デシベルも排水音が低下します。
〈ロフト〉
2階の部屋には、天井高を生かした広いロフトを設置するのがお勧めです。部屋の面積が限られる「コンパクトアパート」だからこそ、収納スペースなどとして様々な使い方ができ、入居者募集の上で非常に効果的です。
様々な用途になるロフト
壁クロス選びで、デザイン性・居住性の同時アップも
〈壁クロス〉
壁クロスは、室内の雰囲気を大きく左右します。普通のアパートでは、ホワイト系の無地のクロスを使うのが一般的ですが、ひとつの面にカラーのアクセントクロスを使用するとお洒落な印象にできます。
最近はクロスの素材自体についても、伸縮性のあるものが登場しており、下地の収縮・ズレ・ゆがみに対応して剥がれなどが発生しにくく、メンテナンスコストの低下につながります。また、防かび性能のある素材は、壁紙に発生する「かび」を抑制し、アレルギー防止といった訴求ポイントにもなるでしょう。
防かび・アレルギー防止になる壁クロス