在宅介護は「サービスの組み合わせ」の見極めが重要
介護サービスは、使えるだけ使ったほうがよいというわけではありません。負担限度額いっぱいまで利用することも可能ですが、自炊や掃除、買い物など「本人にできることがある」という状況であれば、自分でどんどん動いてもらいましょう。動くことが少なくなると、筋力が衰えて気力もなくなり要介護度が上がってしまい、逆効果になってしまいます。
施設のようにトータルで介護を依頼できない在宅介護では、どのようなサービスを組み合わせて生活していくのかが極めて重要です。
親の意向や状況に合わせたサービスを、そのつど選択することになりますが、それにはどのようなケアプランを作成するかが鍵になります。本人や家族の希望、予算的な問題など、すべてを家族だけで整理するのは極めて困難なため、ぜひ専門知識を持つケアマネジャーを頼ってください。
自宅介護の救世主「レスパイトケア」とは?
レスパイトとは「休息」の意味です。レスパイトケアとは、在宅で介護している家族に休息を取ってもらうために、一時的に介護を代行する家族支援サービスです。
レスパイトケアにはデイサービスやショートステイ(施設への短期入所)などがあります。これらのサービスは、かつては家族の病気やけが、冠婚葬祭など、やむを得ない事情がある場合に利用するのが通例でした。しかし、近年は介護者の介護疲れを防ぎ、リフレッシュできるようにといった理由での利用も推奨されています。
後ろめたさや引け目を感じることなく、うまくレスパイトケアを取り入れて家族の自由時間を確保し、ストレスをため込まないようにしたいものです。
勤務先に「介護休業給付金」制度の有無を確認
会社を辞めずに介護を続けながら働くつもりならば、勤務先に「介護休業給付金」制度があるかどうかも確認しておきましょう。
65歳未満の雇用保険加入者がこの制度を使うと、家族の介護で会社を休んだことにより給料が下がった、あるいは支給されなかった時に給付金を受け取ることができます(1家族につき通算93日間まで)。ただし介護休業が終了した後で退職する予定の人は対象外です。
2017年1月からは、法改正により最大3回に分けて介護休業を分割取得することが可能になり、さらに利便性が増しました。今後は介護人口の増加により、介護休業の制度がさらに整備されて取得しやすくなると考えられます。
受給にあたっては、以下の条件を満たす必要があります。
●負傷、疾病、もしくは身体・精神の障害で2週間以上にわたり常時介護(歩行、排せつ、食事などの日常生活を支えること)が必要であると認められる家族のための休業
●介護休業期間中の1カ月ごとに、休業開始前の1カ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
●休業している日数が、期間ごとに20日以上あること
●事前に介護休業を申し出て、会社側の了承をもらっていること