アメリカにある投資方法「Trust Deed Investment」の仕組みについて見ていきます。※本連載では、Win/Win Properties, LLCの呉純子氏(パートナー/アメリカ代表)が、日米での不動産開発や都市計画作りに携わった経験なども踏まえ、米国不動産投資の穴場といえる「メンフィス」の最新不動産事情をご紹介します。

インカムゲインの投資で成果を出すのは簡単ではない

前回は、「好み」を優先して投資をする危険性についてお話しました。今回は、インカムゲイン重視の投資を始めたい場合に、どんな選択があるのかを紹介したいと思います。

 

まず、インカムゲインを狙った投資はどうしても限られます。投資先の主なタイプは、株式、債券、ミューチュアルファンド(オープン・エンド型の投資信託)、CD(譲渡性預金)です。こういった投資の欠点としては、リターンが低く、インカムゲインをいくら得られるのかがあくまで予測であって保証がないという点です。ですからインフレを上回る利益を得るのは、特に初心者には難しいことかもしれません。

 

一方の不動産では、空室率への心配や天災が起きた場合にどうするかといった悩みはあるものの、物件を購入し、その物件からの家賃によるキャッシュフローを得られるというのが通常です。

 

しかし、目の前のキャッシュフローばかりに焦点を当てていると、必ず投資に「盲点」が生じてしまいます。例えば、自分の投資目標が「年間5000万円に対して、必ず6%の安定収入を得る」というものだとすると、投資方法と時間の使い方には少しクリエイティブな工夫が必要です。

アメリカの不動産ローン債権に投資する仕組みとは?

もっと楽で、心配を最低限に抑えられるうえに時間も使わない、キャッシュフローを生み出せる投資方法にはどんなものがあるでしょうか?

 

実は、アメリカ不動産に関連した「Trust Deed Investment」という投資手法があります。Promissory Note(約束手形のようなもの)に投資することで、自分の投資額とリターンを守ることができます。簡単に言うと「担保付不動産ローン」への投資です。何が担保になっているかと言うとその物件自体です。アメリカではこれを株や債券の代わりに利用する人が多いのです。

 

Promissory Noteには、ローンの額のほか、ローン期間、利率、物件の住所と支払い延滞金などが記載されます。通常、ローンの額は物件価値の額より低く設定されるため、最悪の場合の物件売却時に、物件の価値が少し下がっても、投資額は回収できる可能性は高いといえます。期間は通常3年から8年で、利息を毎年受け取り、契約期間終了後に元金が戻ってくるという形になります。

 

これは少額から開始することが出来るので、物件の購入資金が足りない方は先ずPromissory Noteへの投資から始めることをお勧めします。物件によっては300万円から始められるものもあります。この仕組みを使えば、投資したキャッシュの回収が容易になるため、株のように、マーケットに振り回され、いきなり投資額が半分に減るというようなこともありません。また、物件を持っている方と比べると、テナントの心配をすることもありません。ただ利息を回収するだけという方法です。

 

株や物件を買うなと言っているわけではありません。他の投資をしながら、安定して労力を使わない投資方法も自分のポートフォリオに組め込めれば、もっと効率的に投資目標を達成できるでのではないかと思っています。

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