人口・面積ともに「全米2位」を誇る、テキサス州
現在、ヒューストンが不動産投資家に注目されています。
ヒューストンといえば、2017年に大型のハリケーンが直撃し、大きな被害を受けました。アメリカのなかでも、面積、人口ともに上位の大都市ですが、まだまだ復興作業が続いています。なぜ、そのヒューストンが投資家の注目を集めているのでしょうか。
本記事では、ヒューストンが不動産投資先として注目されている理由を、その特徴や魅力とともにお届けします。
◆ヒューストンとは?
ヒューストンがあるテキサス州は、アメリカのなかでアラスカ州に次ぐ広さ、カリフォルニア州に次いで全米第2位の人口を誇る州です。ヒューストン以外の主要都市としては、州都のオースティン、ダラス、サンアントニオなども有名です。
ヒューストンは、テキサス州の南東部に位置する都市で、面積は1558平方キロメートルと全米第2位の広さを誇ります。2017年時点の人口は231万人となり、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次いで全米第4位、テキサス州内では第1位となっています。
ヒューストンは、アメリカ人投資家の間でも注目されています。その規模も大変魅力的ですが、投資先として優れているのは、人口がこれからも増加していく見通しがある点と不動産価格が大都市のなかで比較的安くキャピタルゲインが狙える点です。最近では、ニューヨークやロサンゼルスからヒューストンに移住される方も多いです。
◆雇用の拡大
ヒューストンの著しい人口増加の背景には、雇用の拡大があります。
もともとアメリカはエネルギー大国として知られていますが、なかでもテキサス州は、石油が豊富に採れる場所です。1901年に油田が発見されてから、雇用が拡大していきました。
また、1990年代から新たなエネルギー資源として期待されていたシェールガスが、10年前ヒューストンで発掘されました。そこから急激にヒューストンの知名度は上がり、さらに新たな労働者が増えていったのです。
スーパーメジャーと呼ばれる6大石油会社のうち、シェル石油、エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスの4社が主要な業務拠点をヒューストンに置いています。
アメリカで発刊されているフォーチュン誌が年1回発表する、全米上位500社(総収入に基づく)のリスト「フォーチュン500」に選ばれた企業のうち、21社の本社がヒューストンにあります。最近では、ダイキン工業が巨大工場を建設しました。
ヒューストンに拠点を設けている理由としては、先に説明した人口増加のほか、州に対する法人税がない、最低賃金が低い、物価が安い、不動産価格が安い点などがあげられます。
◆人口の増加
不動産投資先の選定にあたって、大事な要素の1つが人口の増減です。人口が増えれば、住居の需要も増え、賃料の上昇にもつながり、インカムゲインが期待できます。
1900年には人口44,633人でしたが、油田が発見されて以降、1910年には78,800人、1920年には138,276人と、20年の間に3倍も増加しています。90年代に入ってからは、2%を超える増加率にはなっていませんが、2008年にシェールガスが発掘されてから、10年でさらに30万人増えています。2020年には252万人、2030年には280万人まで伸びるといわれています。
リーマンショック時も、不動産価格への影響はわずか⁉
◆不動産価格の上昇
Houston Association of REALTORS(ヒューストン不動産協会)の発表によると、2018年のヒューストンの不動産価格の中央値は、23万7,500ドルです。2017年と比較すると上昇率は3.3%となり、10年前と比べると10万ドルほど上昇しています。
世界中が大打撃を受けたリーマンショック時も、もともと不動産価格が比較的安く、バブルを経験しなかったヒューストンは影響をあまり受けず、価格が上昇し続けています。
上昇しているとはいえ、まだほかの大都市と比べると安値です。ニューヨークの不動産価格の中央値は68万ドル、ロサンゼルスは55万ドルですから、お得であるといえるでしょう。
◆なぜ、「今」ヒューストンに投資するのか?
これからさらに人口増加と経済成長が見込まれていて、比較的安く物件を購入できるため、インカムゲインとキャピタルゲインが期待できます。成長と発展の真っ只中にある今だからこそ、不動産投資のタイミングです。
ただ、皆さんが懸念されるのが、ハリケーン被害ではないでしょうか。冒頭にも書いたように、2017年8月、大型ハリケーン「ハービー」がテキサス州に直撃しました。10万軒以上もの家屋が影響を受け、被害総額は1250億ドルまで及ぶといわれています。これは、2005年の「カトリーナ」の1610億ドルに次いで2番目に大きな被害となりました。
しかし、ヒューストンは必ず復興するでしょう。それだけ経済的な力があり、勢いもあります。「ハービー」が直撃したあと、不動産価格の中央値は一時的に下がりましたが、現在では上昇傾向にあり、さらなる価格上昇が期待されます。
呉 純子
WIN/WIN Properties,LLC パートナー(アメリカ代表)