今回は、アメリカ不動産の「ターンキー物件」について見ていきます。※本連載では、Win/Win Properties, LLCの呉純子氏(パートナー/アメリカ代表)が、日米での不動産開発や都市計画作りに携わった経験なども踏まえ、米国不動産投資の穴場といえる「メンフィス」の最新不動産事情をご紹介します。

テナントの入居までコーディネートしてくれる物件

アメリカでは、キャッシュフローが得られる収益物件が常に人気で、これが他の資産オプションよりも多くの利益をもたらしている場合もあります。不動産投資はキャッシュフローだけではなく、減価償却の優遇策、インフレ対策へのヘッジ、経費面の優位性など様々な利点をもたらします。

 

しかし、理想的な収益物件を手に入れるには壁もあります。始めるのは容易でも、避けられない失敗もあります。何百万円もの損をしてしまうこともあり得なくないのです。

 

総合的ソリューションとしては「ターンキー物件」を用意できる専門業者を選ぶことをお勧めします。ターンキー物件とは、すぐに入居できる出来上がり物件のことです。そして何よりのメリットは、テナントの入居までコーディネートしてくれることです。日本に住みながらアメリカの収益物件を購入するなら、ぜひ活用するべきです。

「ターンキー専門業者」を活用して手間やリスクを回避

ターンキー物件の専門業者を利用するメリットを、以下の3つのポイントから見てみましょう。

 

 

1)リノベーション済み

 

ゼロから物件を仕入れ、リノベーションする場合には、自身で工事業者を探さなければなりません。この際、アメリカでは大抵リノベーション業者を数社同時に探し、予算や他の条件などに一番合わせてくれる業者を選びます。もちろんこの業者選びは、自身で交渉を行う必要があります。そして、いくら業者を探しても予算と折り合わないような場合でも、そのなかから業者を選んで作業を進めなければなりません。

 

また、初めて雇う業者は後から追加項目を出してきたり、作業期間が延びる、さらには途中で作業をやめてしまうようなケースもあります(アメリカには、日本のような気を配ったサービス基準がありません)。しかし、ターンキー専門業者の場合であれば、すでに繋がりのある工事業者を知っています。長年築いた信頼があるため、上記のリスクは最小限に抑えられ、投資家が購入する際にはリノベーションが終わっていますので、工事業者について頭を悩ませることはありません。

 

 

2)管理会社付き

 

例えば、新築物件を購入したとして、リノベーションする必要がない物件でも、現地の管理会社を探す必要があります。良い管理会社は、質の高いテナントを探してくれます。しかし「良い管理会社」を見つけるには、かなりの手間が必要です。なぜなら、いくらウェブサイトがきれいだとしても、いくら面談で好印象であっても、実際に使ってみなければ本当のサービス内容はわからないからです。まさにトライアンドエラーを繰り返し、自分に合う管理会社を探すしかありません。しかし、ターンキー専門業者では既に管理会社との付き合いがありますから、あなたの手間を省いてくれます。安心して実績のある管理会社を紹介してくれるでしょう。

 

 

3)登記リスクの回避

 

自分自身でアメリカの物件を購入しようとする際は、徹底的な物件の事前調査をできない可能性があります。例えば、以前の売主のローンが返しきれていない、コミュニティ管理費の負債が残っている、固定資産税の負債が残っている、銀行から差し押さえの警告が来ている、などといった細かな問題が起こり得るのです。

 

これらが原因で急に登記が出来なくなったり、購買価格が予想以上に上がったりすることもあります。こういった予想外のことを避けるためにも、ターンキー専門業者から物件を購入するのが一番楽でしょう。なぜなら、既に登記を阻む全ての問題をクリアしているからです。

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