社長は「売上に貢献する」仕事に時間を割くべき
創業まもない会社では、ほとんどの会社が、社長自らが経理を担当しているはずです。ですが、これが「大きな落とし穴」となります。
創業まもない時期は会社の今後の発展にとって、一番大切な時間だからです。
たとえば、美容院を経営している社長さんがいたとします。その社長さんは、夜、店を閉めたあと、毎日2時間も残って、一人でレジの現金売上を計算して、銀行の夜間貸金庫にもって行くという作業に忙殺されていました。
もし、社長さんが、そんなことに時間と労力をとられていたとしたら、その店の将来は目に見えていいものにはならないでしょう。
そのような会計作業に従事するぐらいなら、翌日朝早くから、新規顧客開拓のための営業戦略を練ったり、技術レベルが上がらないスタッフ育成のためのOJTに時間を割いたりしたほうが、よっぽど売上に貢献するというものです。
これは美容業に限ったことではなく、創業まもない社長さんには、共通の落とし穴だと思います。
経理事務を自分で行うと「見えない経費」が高くつく
このような規模の会社の社長さんは、領収書や売上の仕訳や記帳といった仕事は、迷わずアウトソーシングに出してしまいましょう。
結果的にコストが安くつくからです。
もし社長さんの時給が、少なく見積もって3000円だとして、毎日の経理作業に2時間の時間をとられているとします。
これは、3000円×2時間×25日間(1カ月の実働日数)=月額15万円、の見えない経費を使用していることになります。
また、皆様の会社が、消費者相手に少額の商品やサービスを販売する業種ではなく、社員が自分一人だけ、または2~3名以下の会社であれば、そもそも経理事務のために人を雇うような業務量は発生していないはずです。
事実、すべての経理業務を数万円で請け負ってくれる会計事務所があります。
創業まもない時期だからこそ、自分で経理事務をやりたいという誘惑を断ち切り、外部に任せるようにしてください。
[図表]経理業務アウトソーシング化のメリット