長期間の保管が必要なケースもある、経理関連の書類
書類の管理に頭を悩ませている会社は多いと思います。経理関連の書類だと、節税面を考慮すると長い場合は9年間の保管が必要なケースもあります。そのため、会社のオフィスの大切なスペースが単なる書類の保管場所になっていることがあります。
これを賃料に換算してみれば、何の役にも立たない書類を高額なお金を払って、大切に保持していることになり、このムダに気づいていない社長さんも意外と多くいらっしゃいます。
筆者著書『社長さん!経理はプロに任まかせなさい!』では基本的に、キャッシュレス、ペーパーレスの立場を推奨していますが、経理の書類管理に関しても、同様です。過去の資料の一括スキャンや、データ化ルールを決めていけば無理なくペーパーレスは実現しますが、問題はそのデータをどこに保管するかです。
仕事にとりかかりやすいからと、経理担当者のパソコンに置いてしまっているケースもありますが、この状態では、経理担当者がいなければ、その書類(データ)を見ることができません。また、経理担当者のパソコンが壊れてしまったら、書類自体を読み出せなくなってしまいます。
クラウドに置けば、出先からでも書類確認が可能に
そこでお勧めなのがクラウドによる書類管理です。クラウドとは、簡単にいえば、外部のサーバにデータを保存しておくことです。外部サーバにアクセスできる環境にあれば、誰でもそのデータを確認、使用することができます。
つまり、社長さんが「3年前の貸借対照表」を見たくなったとき、経理の社員に声をかけることなくオフィスでも、出張中でもどこからでもアクセスして確認することができるのです。
また、データは個々のパソコンや社内で管理しているサーバーに保存されておらず、外部のシステム会社が責任をもって保管してくれているので、一般的には個々の会社のセキュリティシステムよりは強固なものになっています。
バックアップもとられているので、紛失といった被害はほぼ避けられます。クラウドサービスの活用により、保管場所の賃料や、管理者の設置など、無駄なコスト負担を減らすことができるはずです。