頭皮の過剰な皮脂分泌が原因で起こる「脂漏性脱毛症」
●脂漏性脱毛症
「脂漏性脱毛症」は、皮脂腺の炎症(脂漏性皮膚炎)などが原因で起こる脱毛症です。頭皮に湿疹や、強いかゆみ、痛みがあり、ふけが多いのが特徴です。
何らかの原因により皮脂腺に過剰に皮脂が分泌され、皮脂が毛穴をふさぐことで、毛穴周辺部や毛根が炎症を起こすものです。皮脂でふさがれた毛穴の内部で雑菌などが繁殖し、毛根にダメージを与えて毛髪を抜けさせてしまいます。
通常、多少の皮脂で髪の毛が抜けることはないので、脂漏性皮膚炎による脱毛は相当に重い状態といえます。また、脱毛の症状が出る頃には湿疹やかゆみは強くなっている場合が多くなります。
まずは脱毛の症状が始まる前に、治療によって脂漏性皮膚炎を改善することが重要です。
〈症状の特徴〉
●抜け毛が起こる前に、頭皮に強い炎症が出る。
●強いかゆみ、痛みがある。
●ふけが多く出る。
●頭皮に赤みがある。
〈原因〉
・ホルモンバランスの乱れ
・間違った頭皮ケア
・ヘアワックス、スプレーの多量使用
・シャンプーのしすぎや、すすぎ残し
・食生活の乱れ・睡眠不足
毛幹が破壊されることで起こる「牽引性脱毛症」
●牽引性脱毛症・圧迫性脱毛症
「牽引性脱毛症・圧迫性脱毛症」とは、ポニーテールなど髪を結ぶヘアスタイルや、ヘアピン、カツラなどの物理的な力によって、毛が引き抜かれたり、毛幹が破壊されたりして起こる脱毛症です。常に同じ分け目にしたりすることも牽引性脱毛症を引き起こすことがあります。
長年、同じヘアスタイルや髪の分け方をしていて、常に同じ部位に負荷がかかっている状態が続くと、髪の毛が切れたり、弱ったりしてしまいます。それによって地肌が透けて見えたり、局所的に髪の密度が減ってしまったりするのです。
そこで、いつも同じヘアスタイルにするのではなく、髪の毛を結ばずに下ろしたり、分け目を変えてみたりすることも対策のひとつになります。
〈症状の特徴〉
●髪の分け目の地肌が見えやすくなる。
●ポニーテールなど髪の毛を束ねて結んでいる部分の密度が減ってくる。
●切れ毛、枝毛が目立つ。
●易脱毛性ではない(引き抜きテストで簡単に抜けない)。
〈原因〉
・長年、髪の分け目を変えていない。ポニーテールなどによって毛幹部分への外的負荷がかかっている。