前回に引き続き、クリニックを開業するまでの流れを見ていきましょう。今回は、医療機器の選定・導入方法なども併せて説明します。

医療機器購入の際は、複数の会社から見積もりを取る

前回の続きです。

 

⑦医療機器の選定と導入を行う

一般に、経営資源はヒト、モノ、カネだといわれています。カネは金融機関から融資を受けて、ヒトの採用には時間をかけて行いますが、モノとなる医療機器の導入もおろそかにしてはなりません。

 

ご存じのように、医療機器とは高額なものです。しかし、その価格は販売店によってかなり異なります。そこで、付き合いのある医療機器販売店だけでなく、複数の会社から見積もりを取って比較することが必要です。

 

私の会社では医療機器の販売も行っているので、メーカーからの仕入れ価格についても熟知しています。そのため適正な価格で取引を行うことができますが、中には、クリニックはどんぶり勘定が多いからと、かなり高額な価格で売りつけようとする販売店もありますから注意してください。

口コミに頼るだけではなく、積極的なPRを

⑧クリニックのPR方法を考える

せっかくクリニックを作っても、周辺の住民に知られていなければ患者が集まりません。通常、クリニックの開業となれば、建設途中から口コミで噂が広まるものですが、自然な口コミに頼るのではなく、積極的なPRも考えましょう。

 

とはいえ、一般の会社やサービスと異なり、医療広告は規制が厳しくて自由にできません。ノウハウ本などを見ると、新築時に内覧会でアピールせよ、などと書かれているものがありますが、地域によっては医師会の規制で内覧会ができないこともあります。医師会に睨まれると、その後がやりにくいので、どのような規制があるのかよく調べてください。

 

クリニックの宣伝でよく使われているのが看板です。都市部であれば電柱に、地方都市であれば道路沿いの大きな野立て看板などで、クリニックの存在を知らしめています。開業時には、チラシと看板を有効に使いましょう。

 

[図表]クリニック開業までの流れ

本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

市川 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり…

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