開業候補地近くの人口や、競合クリニックの数等を把握
前回の続きです。
④マーケットリサーチを行う
候補地が見つかったら、その場所で開業して本当にやっていけるのかどうか、マーケットリサーチを行います。
クリニックの場所から、徒歩15分の診療圏内にどれだけの人がいるのか、その人たちの年齢層と有病率、競合クリニックの存在などを考慮して、開業後の集患数を計算します。基本的には先ほど述べたような、開業を支援してくれる業者に依頼して作成してもらうことができます。
マーケットリサーチはあくまでも予測でしかありません。出てきた数字をそのまま鵜呑みにするのではなく、甘い期待値になっていないか、あるいは厳しすぎる結果になっていないか、どのようにすればもっと集患ができるのかを考えてみましょう。
もし、マーケットリサーチの結果、どうしても市場性がないとなれば、どんなに気に入った物件でも、撤退する勇気が必要です。
⑤建設会社、金融機関などと交渉する
開業の候補地が決定したら、準備の半分は過ぎたようなものです。あとは、建物の設計や資金計画を立てるだけですが、それらは土地にあわせてだいたいは決まっています。
土地を借りて建物を建てる場合、融資を受けなければなりませんから、金融機関との交渉が必須です。地主に建物を建ててもらう場合は、金融機関ではなく地主との交渉が必要です。これらの交渉には、設計もからむので、建設会社とも協力することになります。
最終的に、すべてがまとまれば、あとは建設会社に任せて、建物ができるのを待つことになります。
スタッフの選定は、クリニックにとって生命線
⑥スタッフの募集と採用を行う
建設を進めている間に、開業から逆算するかたちでスケジュールを組んで、スタッフの募集と採用を行います。
スタッフの選定は、クリニックにとって生命線です。なぜならば、実際に患者と接する時間が長いのは、受付や看護師などのスタッフだからです。どんなに医師がよくても、スタッフの接遇が悪ければ、患者は離れていってしまいます。その逆もしかりで、スタッフの愛想がよくても、医師が無愛想だと患者がつきません。
人数比からいっても、クリニックの雰囲気を決めるのはスタッフです。スタッフの採用と教育には十分な時間を使うべきです。ちなみに、私の会社の場合は募集に1カ月、面接に1カ月、書類選考から医師面接まで合計で5回の選考を行っています。
この話は次回に続きます。