ハリケーン「ハービー」直撃後のテキサスは…
アメリカ不動産へ投資する際には、「天災が少ない町を選ぶ」ということは重用なポイントだと思います。弊社がメンフィスへの不動産投資を行っているのも、それが大きな理由のひとつです。
今回は、8月末にテキサス州を直撃した大型ハリケーン「ハービー」のその後の状況について現地情報をお伝えします。その後の経過を見ているとアメリカという先進国でも、やはり復興というものには時間が必要であることがわかります。ハリケーン直撃から3週間以上の時間が経ちましたが、現在も救済活動が続いているのが実情です。
過去のハリケーンで最も被害が大きかった、2005年の「カトリーナ」と同クラスといわれる「ハービー」。その損害額は700億から1080億ドルだといわれています。この状況に対し、トランプ大統領はすでに79億ドルの支援策を承認しています。
ハリケーン「ハービー」によってテキサス州の中で最も被害を受けたのはヒューストンです。今回、大きな被害を出したハリケーンによる洪水。この原因のひとつは堤防が壊れたことでした。ヒューストンでは、10万人が停電の被害を受け、地元の公共交通機関であるメトロ全てのサービスが一時停止されました。市内にある2つの主要道路にも数週間から数ヵ月間の通行停止命令が出されています。
直近の課題は、施設を確保し、消防署や警察署、病院、老人ホーム、学校などを復旧することであるとし、州政府と連邦政府は力を合わせ、現在も救済を続けています。実は、テキサス州ヒューストンでは9年前、2008年9月13日にハリケーン「アイク」の影響を受け260万世帯への電力供給を打ち切って295億ドルの被害をもたらしたことから、以前にも大きな回復課題に直面していた過去があります。そのハリケーン被害の後にも、住民の75%に電力を復旧させるために10日あまりを要したといいます。
災害への対応を専門とした機関「FEMA」とは?
アメリカには「FEMA(Federal Emergency Management Agency)」という連邦政府の組織が存在します。米国で発生した災害への対応、地方自治体や州政府が対応できなかった際のフォローがこの機関の主な目的です。 災害が発生した州の州知事は緊急事態を宣言し、大統領からFEMAが災害に対応することを正式に要求しなければいけません。
現在、テキサスでは補助金(下記リンクにて詳細)が出されています。災害地域の住民は加入している保険情報、年収に関する書類と災害被害の写真・被害額を提出することで受け入れ額が審査されます。9月19日時点では74万3676人がFEMAに申請した結果、28万8084人がやっと承認されたということです。補助金をもらうまでには数ヶ月を要するという厳しい現実があります。
(https://www.fema.gov/apply-assistance)
しかもほとんどのケースにおいて、政府の補助金だけでは損失をカバーしきれないことが多く、今でもシェルターで暮らす住民は2万人以上います。復興には、これからさらに長い時間が必要です。
参考資料:
http://www.cnn.com/2017/08/28/us/rockport-texas-hurricane-harvey-damage/index.html
https://www.theguardian.com/us-news/2017/aug/29/houston-texas-harvey-recovery-efforts
https://www.nytimes.com/interactive/2017/08/24/us/hurricane-harvey-texas.html
https://www.nytimes.com/interactive/2017/09/01/upshot/cost-of-hurricane-harvey-only-one-storm-comes-close.html
http://www.cnn.com/2017/09/13/us/harvey-houston-recovery-trnd/index.html
https://www.texastribune.org/2017/09/19/hey-texplainer-how-fema-distributing-money-areas-affected-harvey/