ほとんどのコインランドリーは「無人の運営」だが…
ほとんどのコインランドリーは無人で運営しています。本業を持っている、または高齢のオーナーなどは、そこが最大の魅力と言う人が多いでしょう。
しかし、無人で運営できるからといっていつも24時間・365日無人でいいということではありません。当然ながら機械や店内を掃除したり、お客様からのクレームに対処したりする人は必要です。
この話になると、ほとんどのフランチャイザーは「掃除は毎日でなくてもいい。週に1、2回でも大丈夫だ」「クレームはコールセンターが対応する。機械の遠隔操作もできるので心配はいらない」といった回答をします。
なるほど、たしかにそれで理屈としては運営できるでしょう。しかし、それがお客様にとってベストなお店でしょうか。
お店には毎日たくさんのお客様が来ます。そのたびに洗濯機や乾燥機の中に糸くずなどが付くでしょう。洗濯物を畳むので店内にはホコリも舞いますし、備え付けの洗濯かごが散らばるかもしれません。たまには飲み物をこぼす人もいるでしょう。
このような状況のなか、週に1〜2回くらいの掃除で清潔なお店を維持できるはずがありません。きのう掃除したからといって今日もあさってもきれいなままとは限らないのです。
コインランドリーは、洗濯をしに来る場所です。つまり、清潔を求める場所。それなのにお客様は、わざわざ汚いお店には来ません。汚れが目立つようなら、お客様は早々に他店へ流れていくでしょう。やはり、掃除は毎日するに越したことはないのです。
女性「インストラクター」の常駐でトラブルに即時対応
クレームにしても電話と、直接スタッフと会って対応してもらうのとでは、どちらが穏便にことが運ぶでしょうか?
電話に出たオペレーターがいくら訓練されていたとしても、やはり顔を見ながら対応してくれる人が近くにいるほうが安心できるはずです。それが顔なじみのスタッフならなおさらです。普段からコミュニケーションをとっていれば、怒るに怒れない状況になることもあるでしょう。
逆に電話で杓子定規なことを言われてしまうと、ほんの些細なことでも大クレームへと発展してしまうこともあります。
たとえば機械が止まってしまったうえに扉が開かないといったトラブルは、遠隔操作で返金はできても解決はしません。中に洗濯物が残ってしまうからです。
こういったトラブルは、単純に機械の電源をいったん切って、また入れれば解決してしまうことが多々あります。しかし、その作業をバックヤードへ行ってお客様にやっていただくわけにはいきません。だからといって、修理担当者が来るまで待たせることもできない・・・。
実際には翌日以降に修理して、2〜3日後にお客様に洗濯物を取りに来ていただくようなケースがほとんどでしょう。これはお客様にとって大変な負担です。
このようなことから私たちがプロデュースするコインランドリーでは、毎日女性のインストラクターが店舗に常駐することになっています。
なぜ、「スタッフ」ではなく「インストラクター」と呼ぶかといえば、単純に掃除やトラブル対応をするだけでなく、どの大きさの機械が適当か、素材による洗濯方法、機械の操作方法と注意点といったコインランドリーの便利な使い方を伝えることが本来の仕事だからです。
とはいえ、人件費や防犯上などの問題から、オープンしている朝5時から深夜26時まで常駐しているわけではありません。基本的には午前9時30分から12時までの2時間半と、時間を限定しています。
なぜこの時間なのかというと、お客様の60%はこの時間帯に来店するからです。費用対効果などを検討した結果、この時間帯の勤務がベストと判断しました。それ以外の時間は本部のコールセンターが対応します(18時以降は留守番電話で対応)。
2人のインストラクターが1店舗につき交代で毎日勤務します。この毎日というところが重要で、インストラクターの常駐によって、いつも清潔な状態を維持しなければならないトイレの設置も可能になりました。
また、トラブル対応も迅速に行えます。たとえインストラクターが不在の時間帯にトラブルが発生し、返金しなければならない状況になったとしても「明日以降の9時半から12時までならいつでもインストラクターがいるので、ご都合の良い日に来てください」と案内できます。
これでオーナーは、怒っているお客様のために深夜に100円玉を握りしめて車を走らせる、といった苦労から解放されるのです。
実際にこのようなトラブル対応で、お客様とインストラクターがやりとりし、その対応を気に入っていただいたことからリピート客になったというケースが多々あります。インストラクターが毎日いる、そのこと自体が安心感につながるのです。
この話は次回に続きます。