車の出し入れがスムーズな、生活道路沿いの土地
前回のつづきです。今回は、「視認性が高く・入りやすく・出やすい」立地の三原則を満たすために、クリアすべき条件を見ていきます。
●道路から店舗への段差が少ない
運転に自信がないお客様は、道路からスムーズに入れて、前向きに駐車できる店舗を好みます。そのため、道路との段差がなく、かつ段差がない部分の幅ができるだけ広いことが必須です。
たとえば、街路樹等があり出入口が3m程度しか確保できない店舗などは論外です。最低でも、道路へ出入りする車同士が余裕ですれ違うことができるくらいの幅が欲しいところです。
●生活道路沿い
店舗に接する道路も重要です。基本的に大型トラックが行き交う幹線道路は不可。運転に自信のないお客様は、そのような道路を走りたくありません。
前提としては、毎日の買い物などに利用する、地元住民ならば誰でも分かる生活道路沿いがいいのです。ただし、生活道路沿いであっても周辺に踏切や信号が多い場合は、出店を見送るべきです。このような道路は渋滞の名所となりがちで、「ちょっと洗濯をしに行こう」という気にはならないからです。
理想は四方向から確認できる「十字路の角地」
●視認性の確保
お客様の多くは、運転中にお店を見つけます。したがって、目立つことが重要。できれば、四方向から確認できる十字路の角地が理想です。予算の都合などで角地にするかどうか迷う場合でも、角地に決めるべきです。そこで角地にしておかないと、後にライバル店が角地にできてしまうと間違いなく苦戦を強いられます。
角地が無理な場合は、左右に障害物がないか確認してください。たとえば、歩道橋や街路樹、バス停などです。これらがあると視認性が落ちてお店の存在を覚えてもらう機会が著しく減ってしまいます。
また、カーブする場所の出店を検討する場合も注意が必要です。人は運転中にカーブに差し掛かると、正面を見る傾向があります。たとえば、進行方向に対して右カーブの場合、道路の左側にあるお店はよく見えます。一方で、左カーブの場合、左側の店舗は気づきにくいものです。
このように視認性が低い店舗では、気づいたときに急ブレーキをかける場合もあり危険です。一度「ヒヤリ」とした経験があるお店にリピーターとなるお客様は少ないものです。カーブの内側にある敷地は避けるべきでしょう。
[図表]道路のカーブと視認性の関係