戦略が不十分なまま出店すれば、すぐ撤退になることも
まさにいいことずくめに見えるコインランドリーも、現実にはすべての経営者が順調に経営を行っているというわけではありません。
20年前よりも店舗数が増えたことで競争は激化。戦略が不十分なまま勢いに任せて経営を始めてしまい、出店1カ月足らずであっという間に「撤退か、継続か」の大きな決断をしなければならないケースもけっして少なくはないのです。
そうした中、私がプロデュースするコインランドリーでは、平均の年間売上が1200万円となっています。業界の平均が800万円程度ですから、かなり高レベルであると自負しています。
そして賃料がかからない場合の粗利率は75%。これだけ効率が良く、安定性のある投資方法は、私の知る限りほかにありません。
ただし、この数字を達成させるためには、いくつかの必須条件があります。それはけっして低いハードルではありませんが、これをクリアして大成功している人が大勢いることも事実です。では、その一つひとつを説明しましょう。
「視認性の高さ・入りやすさ・出やすさ」が三原則
【立地】出店にふさわしい場所かどうか、妥協することなく緻密に調査する
コインランドリー経営の成否を決めるのはとにかく立地です。いくらお金をかけて立派な店舗にしても、立地が悪ければ必ずといっていいほど失敗します。
成功するコインランドリーの立地には三原則があります。
①視認性が高く
②入りやすく
③出やすい
さらに後背地及び周辺に人口が多ければ、今後も需要の増加が望めます。なお、地代が安ければ申し分ないでしょう。
各地域の人口増加率などを加味した市場調査は、コインランドリーの機械メーカーやフランチャイザーならば代行してくれるはずです。自分でいろいろ調べるよりそれらの業者の提案を聞いてみるほうがより確実かもしれません。
問題は敷地です。この部分についてはノウハウを持っている業者はほとんど存在していません。つまり、ここが高い粗利率の店舗を作るうえで差別化になるポイントです。
当社がプロデュースするコインランドリーの利用客層には次のような傾向があります(当社の独自データによる割合)。
[図表]コインランドリー利用客の男女比
●約7割が女性
●約5割が主婦
●約5割が30〜40代
●約8割が車で来店
●約8割が車で10分以内の地域に居住
●約8割が通りがかりにお店の存在を知る
このデータから、ターゲットの多くが運転はあまり得意ではないことがわかります。
このような人々がお店に求めることは何か?
それは、三原則の
●視認性が高く
●入りやすく
●出やすい
ことです。
次回は、この三原則をクリアする条件について見ていきます。