従来は「チャネル=パートナー企業」だったが・・・
チャネル戦略では、「チャネル」すなわち開発・製造した製品を顧客に届けるまでの販売網、流通網の構築について考えていきます。
チャネル戦略を検討するうえでは、目下、チャネルのあり方が、多様化、細分化の傾向を強めていることを意識しておく必要があるでしょう。
すなわち、従来は、チャネルというと、代理店やVAR(Value-added-reseller=付加価値再販業者)といったパートナー企業のことを指すのが一般的でした。しかし、現在では、①直販、②販売パートナー、③コールセンター、④インターネットといった顧客との複数の接点全てが対象となっており、「マルチチャネル」もしくは「オムニチャネル」といった言葉で呼ばれています。そして、これらの複数のチャネルが1つのシステムを介してデータ連携し、シームレスに統合されることにより、営業の生産性を飛躍的に向上させているのです。
顧客ファーストの仕組みが重要なマルチチャネル戦略
その具体的なイメージを示すと図表のような形になります。ここで一番大切なことは、「顧客ファースト」の仕組みであるという点です。つまり、顧客がどのチャネルに接しても過去の商談履歴が売り手側で常に共有されており、再度説明し直すことなく、スムーズに商談を進められるという点にあります。
一方、本部レベルにおいても、現場で行われている商談の進捗が全てリアルタイムで把握できるため、タイムリーに効果的な支援を行うことが可能となるわけです。
[図表]マルチチャネル戦略