事業の成長を「製品」と「市場」の2軸から把握
4P戦略によって新規事業を定着させることに成功したら、さらなる成長・拡大を目的とした戦略を策定することが必要となります。その際に、活用を勧めたいのがアメリカの経営学者、イゴール・アンゾフによって提唱された「成長マトリックス」です。
成長マトリックスは、下記の図に示したように事業の成長を「製品」と「市場」の2軸から把握しようとするものです。それぞれの軸はさらに「既存」と「新規」に分けられ、①市場浸透、②市場開拓、③新製品開発、④多角化という4つの成長の方向性が示されます。それぞれの概要は以下のとおりになります。
①市場浸透
既存の市場に既存の製品を投入していく。
②市場開拓
新規の市場に既存の製品を投入していく。
③新商品開発
既存の市場に新規の製品を投入していく。
④多角化
新規の市場に新規の製品を投入していく。
楽天の成長戦略とは?
たとえば大手IT企業「楽天」は、これら①から④の戦略を展開することにより、着実な成長を遂げてきました。すなわち、同社はまず、ECサイト「楽天市場」を一般消費者に浸透させ(①)、次にグローバル市場を開拓し(②)、それから電子書籍や音楽配信などの新商品を開発し(③)、そして楽天証券や楽天銀行を設立し多角化を図ったのです(④)。
[図表]アンゾフの成長戦略と楽天の成長戦略事例