前回は、新規事業成功のカギを握る「PLC戦略」による顧客アプローチについて取り上げました。今回は、ソフトウェア業界を例に「4P戦略」策定の方法を見ていきます。

「製品」「価格」それぞれの視点による戦略を策定

顧問 Aさん、こんにちは。おや、Bさんもいらっしゃる、お久しぶりですね。

 

Bさん ご無沙汰しておりました。その後、新規事業の立ち上げは順調に進んでおり、今は新製品の技術資料関係のローカライゼーション(日本語化)の段階に入っています。そこで、今日はマーケティング戦略、特に4P戦略の具体的な策定の仕方について教えていただきたいと思って参りました。

 

顧問 そうですか。では、ソフトウェア業界を例にして検討していきましょう。まずは「製品(Product)」から考えてみましょうか。

 

Bさん ソフトウェアの場合、製品を単品売りするのではなく、いくつかの製品・機能を組み合わせ、さらに導入コンサルティングサービスを加えたセット商品として提供価値を高めることが有効な戦略になると思いますが、いかがでしょうか?

 

顧問 なるほど。では、「価格(Price)」についてはどうでしょうか。

 

Bさん 製品とサービスを組み合わせることにより、他社との差別化を図り、バリュープライシングにて提供することが考えられます。

 

Aさん 松・竹・梅のように、非常にわかりやすい価格体系でセット商品価格を提示してみるのも面白いですね。

「チャネル」の検討法と「販促」の具体的な方法とは?

顧問 お二人ともすらすらと出てきますね。どうやら、私が出る幕はなさそうです。それでは、「チャネル(Place)」はどうでしょうか。

 

Bさん うーん。いろいろな戦略が考えられますが・・・。ありすぎて絞るのが難しいなあ。

 

顧問 市場セグメントごとに検討するのはどうでしょうか。たとえば、大企業、中堅企業、中小企業の3つに分けて。

 

Bさん なるほど、大企業であればコンサルファームと、中堅企業であれば業種特化型ベンダーと協業するのが良策といえそうです。また、中小企業についてはあえて初期段階ではフォーカスしないという選択肢もありえます。

 

顧問 最後は、「販促(Promotion)」です。具体的な方法をいくつかあげてみてください。

 

Bさん パンフレットやちらしなどの営業ツールの作成やセミナーなどイベントの開催・・・。

 

Aさん それから、広告、プレスリリース、販促キャンペーンなども考えられますね。

 

[図表]

本連載は、2017年4月27日刊行の書籍『超図解!新規事業立ち上げ入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

超図解! 新規事業立ち上げ入門

超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の企業は目下巨大なパラダイムシフトの波に直面しています。 経営環境の変化がめまぐるしい中、企業が生き残るためにはビジネスモデルを再構築し、新たな収益の源泉として新規事業に取り組むことが不可欠です。 新規事業…

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