情報技術が急速に発展し、経営環境が大きく変わっていく中で、企業が生き残るには新規事業に取り組むことが不可欠です。本連載では、事業戦略を練るうえで欠かせない、フレームワークを紹介します。

商品やサービスの宣伝・販売で重要な「核」に

本書『超図解!新規事業立ち上げ入門』では、SWOT分析やSTP分析などの手法を使って、自社の「現状(As-Is)」と「あるべき姿(To-Be)」について把握してきました。本連載では、それらの分析結果をもとに、事業戦略を練っていきます。本書で説明したように、「戦略」は、「現状」と「あるべき姿」のギャップを埋めるための方策です。

 

事業戦略の主な選択肢としては4P戦略、成長戦略、競争戦略があげられます。このうち、新たに開発した商品・サービスを宣伝・販売していくうえで最も重要な核となるのが「4P戦略」です。

トヨタの新型プリウスの4P戦略とは?

4P戦略は、「製品(Product)」「価格(Price)」「チャネル(Place)」「販促(Promotion)」の4つの「P」の要素からマーケティング戦略を、すなわち売れる仕組み作りを考えていくフレームワークです。

 

たとえば、トヨタの新型プリウスを例にすれば、図表で示したように、「製品戦略」については燃費向上、運転性能向上などが、「価格戦略」についてはコストプラス(ボリュームゾーン向けの価格設定)が、「チャネル戦略」についてはトヨタ販売店網による販売が、「プロモーション戦略」についてはテレビCM、新聞・雑誌広告などが4P戦略として具体的に実施されているといえます。

 

以下の図表では、4Pそれぞれの中身について、すなわち「製品戦略」「価格戦略」「チャネル戦略」「プロモーション戦略」の内容やポイント、注意点などについて詳しく見ていきましょう。
 

[図表]4P戦略

本連載は、2017年4月27日刊行の書籍『超図解!新規事業立ち上げ入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

超図解! 新規事業立ち上げ入門

超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の企業は目下巨大なパラダイムシフトの波に直面しています。 経営環境の変化がめまぐるしい中、企業が生き残るためにはビジネスモデルを再構築し、新たな収益の源泉として新規事業に取り組むことが不可欠です。 新規事業…

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