9割負けても、勝っている人が1割いるのなら…
まゆ子 でも、9割負けているとしても、1割は勝っているのですよね。勝っている人たちが使っている手法は、「勝てる手法」だということになりませんか?
その手法を使って勝っている人たちがいることは事実です。ですが、勝っている原因は、その手法ではありません。彼らが勝っていることと、その手法を使っていることとのあいだに因果関係はないのです。
彼らは、それぞれ、自分の勝ちパターンを構築しているゆえに、勝っているのです。だから、どんな手法を使っても利益になる。そんな彼らがたまたま使っているやり方が、その宣伝なり広告なりをしている手法だというわけです。
同じ手法を使っている人のうち、やはり9割は負けている。だから、その手法が優れていて、それを実践すればだれでも勝てる、という論法は成り立たないのです。
外的要因と内的要因がそろったときが「勝ちパターン」
まゆ子 基本的な質問で申し訳ありませんが、「勝ちパターン」というのは、どういうことですか?
研究社の新英和中辞典によると、パターン(pattern)には次の五つの意味があります。
① 思考・行動・文などの型、様式、パターン
② 図案、模様、柄(がら)、図形
③ 原型、模型、(洋裁の)型紙、鋳形、木型
④ (布地・壁紙などの)見本、サンプル
⑤ 模範、かがみ
パターンの意味は大きく分けて三つです。
一つ目は、思考・行動・文章などの型や様式。二つ目は、あるものを作成するための型。三つ目は真似るための模範です。
「勝ちパターン」には、この三つの意味すべてが含まれています。「勝ちパターン」とは、利益にするための型(モデル)のことです。
この、利益にするための型は、二つに分類することができます。
「この展開になれば、勝てる」という、自分に有利な環境や展開。
「こうもっていけば、勝てる」という、ある目的を達成するための行動とプロセス。
これらは、「勝利の方程式」という表現がしっくりくるかもしれません。
このように、勝ちパターンには、外的要因(環境・展開)と内的要因(行動・プロセス)があります。
その二つがそろったときに、勝ちパターンが機能し、勝利する(トレードの場合は利益を得る)ことがより確実になっていくわけです。
<ケンの一言MEMO>
●「勝ちパターン」= 自分に有利な環境や展開(外的要因=外部環境)
定式化されたプロセス(内的要因=自分の行動)