上昇トレンドの途中で買うのは「順張り」ではない
売りの場合も、買いの場合とすべて同じです。売買の方向がちがうだけです。
泰造さん、トレンドフォローという言葉をご存知ですよね?
泰造 はい、トレンドが発生してからトレンドの方向にポジションをもっていく、つまり値が上がったときに買い、下がったときに売る「順張り」のことですよね。
そうです。しかし、順張りという言葉の意味を理解しないで使っているトレーダーの方も多いように見受けられます。たとえば単純に上昇トレンドの途中で買うのを順張りだと考える人がいますが、これは危険です。
はっきり上昇トレンドだとわかっているときに買う場合、トレンドがどこまで続くか予想する必要があるのです。それを考えずに、上昇トレンドだと思って買ったものの、買ったところが天井でそのまま下落・・・というケースも珍しくありません。
しかし、「勝ちパターン」の場合、相場を予想する必要がまったくありません。「あと出しジャンケン」で勝てるのが「勝ちパターン」です。
+1σの終値で下抜けは売り、-1σの終値で上抜けは買う
泰造 それで勝てるのですか?!
[図表]
たとえばこの「ミッション 001」。トレンドが出るか出ないかを予想する必要がありません。トレンドがどこまで続くかを予想する必要もありません。
そのときのチャートの動きを見て、上昇トレンドが終わったら、「あと出しジャンケン」で売ればいいだけですし、下降トレンドが終わったら、「あと出しジャンケン」で買えばいいだけです。
それが、9本以上のローソク足がバンドウォークし終わって、+1σを終値で下抜けたら売る、-1σを終値で上抜けたら買う、ということなのです。それで利益になるなら、こんな楽なことはありません。
泰造 ほんとうですね。
トレンド発生後の調整相場は、初心者も利益にしやすい
トレンドフォローの順張りトレードについて補足しておきたいと思います。どんなFX本を開いても、ほぼ一様に、トレンドフォローの順張りを勧めています。「トレンドフォローはローリスク・ハイリターン」という売り文句です。
はたして本当にそうなのでしょうか?
私は逆に、トレンドフォローほどむずかしいトレード手法はないと考えています。特に、初心者の方に対しては、単純にお勧めすることはできません。
トレンドが発生したと思ってすぐにエントリーすると、実際にはトレンドが発生せずダマシを食らうといったことがよく起こります。また、トレンドの発生を確信したころにはもう遅く、そのタイミングで調整相場が始まり逆方向に動き出すといった場合も多いです。
しかし、トレンドが発生して十分上昇や下落をした後の調整相場では、初心者でも利益にしやすいです。
まず、トレンドが発生したかどうかの細かい判断をする必要がないからです。また、一方的に上昇し続ける相場はあり得ないので、調整は必ず発生します。それが来るのを待ち伏せしているだけでいいのです。