ローンの完済を早める「繰り上げ返済」を必ず活用
前回に引き続き、「低金利時代の不動産投資」で成功するための条件を見ていきましょう。
<成功する条件3 繰り上げ返済を欠かさない>
東京の中古ワンルームマンション投資は、リスクを抑えて堅実に資産形成を行うことができる確かな投資法です。ただし、物件を購入するだけで、購入後はなにもしなくても資産が形成されていくというものでもありません。
資産形成のスピードを速め、「金利上昇リスク」「空室リスク」「家賃下落リスク」に備えるには、繰り上げ返済が必要になります。あなた自身の努力が欠かせないのです。老後のためにこれまでコツコツと貯金を積み重ねてきた人には、その資金を今度はローンを1日も早く完済するための繰り上げ返済に回してほしいのです。
繰り上げ返済をすればするほど、ローンの残高が少なくなればなるほど、リスクも少なくなり、あなたの資産は大きくなります。繰り上げ返済ほど資産拡大に役立つお金の使い方はありません。
たとえば100万円の現金があったときに、これを株式投資に使ってしまったらどうなるでしょうか。100万円は120万円になるかもしれませんが、反対に80万円になってしまうかもしれません。
もっといえば、リーマンショックのような出来事が起こり、株価が急落して大損することも考えられます。そうなってしまったら、その株は塩漬けにするしかありません。
一方、100万円を繰り上げ返済に使ったとしたらどうでしょうか。仮に、金利1.5%の10年ローンで1000万円を借入れたケースで考えてみます。借入れてから1年後に100万円を返済すると、返済期間は3年7か月短くすることができ、支払利息も約50万円節約することができます。ローン完済までの期間が確実に短くなり、金利の節約まで必ずできるのです。
私がここまで繰り上げ返済にこだわるのも、サラリーマンにとっては、投資で損をしている時間的な余裕はないと考えているからです。
少なくとも定年までには、目標とする資産をつくる必要があります。もし、株式投資で損を出して塩漬けにしてしまったら、それだけ目標とする資産額に到達するまでの時間も長くなってしまいます。
限られた資金を活用して、将来、目標とする金額まで資産をつくろうとするのであれば、後戻りや立ち踏みをしている時間はありません。繰り上げ返済にお金を充当することで、着実かつ堅実に資産を増やしていくことができるのです。
物件選びと同じくらい重要な「賃貸管理会社選び」
<成功する条件4 管理体制を整える>
「不動産は管理を買え」という格言があるほど、不動産と管理は切っても切れない関係にあります。これは自宅だけではなく、不動産投資でも同じです。
いくら好立地でハイグレードな収益不動産を購入しても、そこに入居者がいなければ家賃収入が入ってくることはありません。また、毎月確実に入居者から家賃を集金する必要もあります。入居者からのトラブルクレームに素早く対応できなければ、入居者に愛想を尽かされ、退去されてしまいます。
不動産投資は他の金融商品とは異なり、投資対象となる物件には、現実に人が生活しています。この入居者が安心して快適に生活できる環境を整えることが、不動産投資で長期安定収入を得るためのポイントです。
通常、収益不動産を購入した後の大家としての仕事は賃貸管理会社に依頼することになります。ただ、この賃貸管理会社の仕事の質は、どこの会社でも同じわけではありません。すぐに次の入居者を決めてくれる会社もあれば、いつまでたっても決めてくれず、こちらから何度も催促して、ようやく決めてくれるところもあります。
そのほか、内装工事の費用が高額だったり、工事期間が長かったり、入居者トラブルを解決することができずに退去してしまうなど、管理の質はさまざまです。
不動産投資で成功するには、あなた自身に加えて、信頼のおけるパートナーを選ぶことが必要不可欠です。物件選びにばかり熱心になる人がほとんどですが、不動産投資で成功するためには、物件選びと同じくらい賃貸管理会社選びも重要です。
なお、信頼のおける賃貸管理会社選びのポイントについては、第5章で詳しく解説しています。