前回に引き続き、「低金利時代の不動産投資」で成功するための条件を見ていきます。今回は、「都内の中古ワンルームマンションに投資する」という条件がテーマです。※本連載では、株式会社日本財託の代表取締役社長である重吉勉氏の著書、『低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人』(かんき出版)から一部を抜粋し、低金利&過剰融資時代の「正しい不動産投資」の進め方を徹底的に探ります。

なぜ、東京23区内の中古ワンルームマンションなのか?

前回に引き続き、「低金利時代の不動産投資」で成功するための条件を見ていきましょう。

 

<成功する条件2 都内の中古ワンルームマンションに投資する>

 

不動産投資で長期安定収入を得るためには、なによりも立地が重要です。賃貸需要のある立地さえ厳選しておけば、長期にわたる不動産投資を安心して行うことができます。

 

 

ただし、今だけ賃貸需要があるのではなく、将来にわたっても賃貸需要が見込める土地を選ぶことが欠かせません。たとえ、今が満室であっても、将来、人口が減少して賃貸需要が衰えてくるのであれば、空室リスクは高まります。

 

不動産投資は長期の投資ですから、短期的な視点で賃貸需要を見るのではなく、20年先、30年先でもしっかりと入居者はつくのか、家賃収入は入ってくるのかを基準にして考えることです。

 

将来にわたって長期安定収入を得るには、「東京23区内の中古ワンルームマンション」が一番です。その概略を示しておきましょう。

東京23区の駅から「10分以内」の物件を選ぶ

賃貸需要の大きさは人口数に比例します。その点、日本で最も人口が多い東京は最も賃貸の需要が大きい立地になります。現在、約1300万人が暮らしており、これは日本の人口の約1割です。日本の土地のわずか0.5%ほどの場所に、これだけの人が暮らしているのです。

 

いくら建物が立派であっても、そこに入居者がいなければ、1円の利益も生んでくれません。なによりも立地を優先すべきで、賃貸需要を考えれば、東京23区内の不動産に投資をすることが欠かせません。

 

物件の価格だけ見れば、東京都内よりも地方や郊外のほうが価格も安く、高利回りです。ただ、こうした高利回りも入居者あってのものです。東京であれば1か月程度で次の入居者が決まるようなマンションでも、地方にあった場合、数か月も空室が埋まらないことはめずらしくありません。これでは、いくら図面上で高い利回りが表示されていたとしても意味がありません。

 

肝心なのは、空室になったときに次の入居者が素早く決まるということです。日本で最も賃貸需要のある東京なら、空室になったとしても、すぐに次の入居者が見つかります。

 

将来、東京でも、人口が減少していくという予測もありますが、2060年の推計人口は1173万人で、これは20年前の1997年当時の東京の人口と変わりません。長期安定収入を得るためには、立地は東京のなかでも東京23区の駅から10分以内の人気のある場所を選ぶことを強くお勧めします。

価格が安く、高利回りが見込める「中古物件」

新築物件に比べ中古物件は、価格が安く投資利回りも高くなるため、投資対象として優れています。

 

中古物件の価格は売り手と買い手の需給関係によって決定しますが、新築物件の価格はデベロッパーが決めます。人件費やパンフレット、ウェブページの作成費用などの販促費用が価格に上乗せされているので、中古に比べてどうしても価格が高くなってしまうのです。

 

そのほかにも、不動産市況が好調なことから、マンションを建てるための土地価格の上昇や建築資材の高騰なども、新築分譲時のマンション価格に反映されてしまいます。

 

また、新築物件の場合、たとえ一度も使用していなくても、建物の権利者を表す登記簿謄本に所有者の名前が記載された時点で中古の扱いになります。その瞬間に、不動産価格は2~3割程度安くなってしまいます。

 

価格は安くなりますが、築年数の浅い中古マンションと新築マンションでは家賃に大きな差は見られません。そのため、収益性を表す投資利回りは、中古のほうが高くなるのです。収益性を考えれば、新築物件よりも中古物件をお勧めします。

リフォーム費用の安い「ワンルーム」が狙い目

マンションには、家族世帯向けのファミリータイプと単身者向けのワンルームの2つのタイプがあります。購入後のランニングコストや入居者が退去した後の空室期間を考慮して、2つの物件の収益性を比べると、ファミリータイプよりもワンルームタイプのほうが投資対象として優れています。

 

入居者が退去した後のリフォーム工事の費用は、ワンルームの場合であれば10万円程度で十分ですが、ファミリータイプの部屋の場合、リフォーム費用も20万円以上かかります。

 

 

さらに、ワンルームの場合、当社管理物件1万7000戸のデータに基づくと空室期間は1か月程度ですが、ファミリータイプのマンションの空室期間は、引っ越しのハイシーズンを逃すと数か月になることもあります。

 

また、ファミリータイプのマンションの場合、室内が広い分、物件価格も高くなりますが、その分、家賃が高く設定できるわけでもありません。つまり、ファミリータイプのマンションは、結果として利回りがワンルームに比べて低くなるのです。

低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人

低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人

重吉 勉

かんき出版

空前の低金利で不動産投資がブームになっています。なかには、頭金ゼロを謳っている投資会社も。 でも、本当に今借金しても大丈夫なのでしょうか。頭金ゼロで何億円もの資産をつくった人の将来は安全なのでしょうか? 本書は…

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