売上総利益は「売上-売上原価」で求めるが・・・
下記の表1はA株式会社の損益計算書です。そのうち販売費・一般管理費の内訳が下記表2で、売上原価の中の当期製造原価の内訳が下記表3と理解してください。これだけでは、売上総利益の金額と率がわかりにくくなっています。
[表1]損益計算書
[表2]販売費・一般管理費
[表3]製造原価報告書(主に製造業の場合)
売上総利益は「売上-売上原価」で求めますが、そもそも売上原価は、売上とともに変動するはずです。
ところが、売上原価のなかには、固定費(=売上がゼロでも払わなければならない費用)ともいえる人件費や経費が含まれています。これでは正確な売上総利益金額と利益率はつかめません。また固定費が全体でいくらかかるかもわからないことも問題です。
実際に損益計算書を作成し、各費用を「見える化」
そこで損益計算書を作り変えて、粗利益金額と利益率、固定費を「見える化」します。
まず、正確な売上総利益金額と利益率、固定費を経営者が把握するためには表1の損益計算書を表4のように作り変えてみましょう。解説のところに手順を記しておきました。いかがでしょうか。
[表4]わかりやすい損益計算書
表1の損益計算書では、売上総利益は21.5百万円で、売上総利益率は26%です。それが図表4では、売上総利益が40百万円で、売上総利益率は50%なのです。どちらが会社の実態を表しているかというと、表4ですね。単純に売上高と売上原価を比較しています。経営計画を作成するには、支出を、変動費用(売上原価)と固定費(内部費用)とに分けたほうが、実態がよく見えやすくなります。
表5の表で、あなたの会社の損益計算書をつくりなおしてみましょう。
[表5]