今回は、会社の数字が一目でわかる「年計グラフ」の作り方を見ていきます。※本連載は、税理士法人古田土会計の代表で、公認会計士・税理士の古田圡満氏の著書、『経営計画は利益を最初に決めなさい!」(あさ出版)の中から一部を抜粋し、社長自らが経営計画を作る重要性と具体的な経営計画の作成方法を紹介します。

「年計表」をグラフ化し、自社の傾向を読み取る

年計表とは、当月を含めた過去12カ月間(1年間)の累計数字を毎月、表すものです。決算とは、年に1度だけ12カ月間分の累計をとりますが、年計表は、毎月決算をしているようなもので、会社の状態を確認するうえでとても有効なのです。あなたの会社では年計表を作成していますか。

 

年計グラフは、それをグラフ上に表したもので、その結果、傾向が読み取れるようになっています。

 

例えば、当月が2017年2月であれば、2月の年計は、2016年3月〜2017年2月(12カ月)の毎月の数字の合計を表します。3月の年計は、2016年4月〜2017年3月(12カ月)の毎月の数字の合計となります。売上年計表、粗利益年計表、商品別年計表、お客様別年計表など、必要に応じて作成してください。その場合、下記のように当年を含み過去数年分の数字を入れてください。

 

基本、以下の手順で各月ごとに数字を出しグラフ化します。

 

①年計表の当月欄すべてに毎月の売上高を記入しておきます。次に年計を計算します。

 

②Aの「12,000」は2013年3月の年計です。

※2012年4月〜2013年3月(12カ月分)の当月の合計値です

 

③Bは、2013年4月の売上高年計です。まず、前月年計(2013年3月年計)「12,000」に2013年4月売上「2,000」をプラスします。12,000 + 2,000 = 14,000とします。しかしこれは、13カ月分の合計のため、1カ月分多くなります。そこから、前年同月(2012年度4月)の「1,000」をマイナスした「13,000」が、年計となるわけです。

 

④Cは、2013年5月の年計で、同様に前月年計「13,000」 + 5月売上「1,000」 − 前年同月売上「1,000」 = 13,000となります。

 

以下同様に、計算していきます。

 

すでにおわかりの通り、当月の数字と前年同月の数字との差が、プラスであれば年計の数字は上がり、マイナスであれば年計の数字は下がるのです。

 

計算式は、その月の年計 = 前月年計 + 当月値 − 前年同月値 となります。

 

[図表1]年計グラフで傾向を読み取ろう

 

[図表2]自社の年計グラフで傾向を読み取ってみよう

単位は百万円で小数点第位まで表示

上記を参考にして、あなたの会社の状況を確認してみてください

変動が大きい月商額グラフでは経営情報が読み取れない

年計表をもとに、それをグラフにします。縦軸に金額、横軸に年月を明記してください。ここがポイントです。

 

多くの会社では月商額をグラフにして管理していますが、その月商額が月により年度により、大きく変動するので、それらのグラフは激しく上下して錯綜し、その表からは何も読み取ることができません。グラフは一目で状況を読めるものでなくては意味がありません。

 

縦軸に金額、横軸に年月をとることを、徹底してください。

 

[図表3]月商グラフでは読み取ることは難しい

本連載は、2017年2月26日刊行の書籍『経営計画は利益を最初に決めなさい!」から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

経営計画は利益を最初に決めなさい!

経営計画は利益を最初に決めなさい!

古田圡 満

あさ出版

社長にしかできないことは2つある。 ひとつはいかに理念を経営計画に盛り込むか(第1部で解説)。社員が理解できるように作成すると同時に、社長自身が取引先にもしっかりで説明できるようにしたい。もうひとつは商品別販売…

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