価値の下がる銘柄を持たない
伝統的プライベートバンクの中に、運用方針の一つとして価値の下がる銘柄を持たないようにすること、その結果、全体のポートフォリオの価値を減らさないようにすることを投資戦略としているプライベートバンクがあります。
一般に投資商品の価格は、下がる時は急に激しく、上がる時には少しずつゆっくりと動きます。この習性を考えれば当然ですが、下がる銘柄を持たなければ、ポートフォリオのパフォーマンスは劇的によくなります(図表)。
上がる銘柄と下がる銘柄を両方持たない場合でも、両方持っている場合(最初のポートフォリオ)に比べてパフォーマンスは改善します。
[図表]「下がる銘柄」の影響力
長期的には必ず上昇すると考えられる「株式指数」
このようにポートフォリオの投資戦略として、銘柄の選択によってパフォーマンスの改善を目指すのですが、改善の基となる基本ポートフォリオは指数です。しかも多くの場合、株式指数です(基準となる株式指数はいろいろありますので、多くの場合、いくつかの指数を組み合わせて基準指数とします)。このように株式の保有(俗にいうロングオンリー)を前提として、投資戦略を考えられるのは、欧州では(実は米国でも)株式指数は長期的には必ず上昇すると考えられているからです。
これはバブルの崩壊後20年以上デフレで、株価指数がバブル崩壊前に戻らない日本では考えられないでしょうが、日本以外のほとんどすべての国では経済の成長とともに株式市場の価値は増え、株価指数も上昇しています。一時的に下がる局面があっても、5年10年単位で考えると価値が減少することは稀有です。
[写真]伝統的プライベートバンクの一つ、キャピタル・バンクの店舗内と外観