前回は、これからプライベートバンクの組織体制はどうなるかについて取り上げました。今回は、スイスのプライベートバンキングビジネスの「強み」について見ていきます。

スイスという国の評価が支える、確実性・専門性・信頼性

いまだに羨ましがられていますが、スイスは2世紀以上の時間をかけて、国際的な金融センターとしての地位とプライベートバンキングビジネスを確立しました。

 

確実性、専門性と信頼性は、スイスという国家の評価に関連しています。金融センターの地位も、スイスの国家としての高い評価に支えられています。

 

昨今では、税金の透明性を求めるグローバルなトレンドと、がんじがらめの国際的な規制の網が、一定の基準を守らせようとスイスに圧力をかけています。

 

しかしながら、大きな金融センターであればなおさら、自分たちにとって大切なものをなんとしても維持しようとするでしょう。

資産を最も簡単に預けられる、セキュリティーズ・デポ

より重要なことは、現存する金融センターとしての品質を維持し、強めていくことです。多くの海外資産にとって直接民主制、法律の役割、信用、安定性、そして自由は、自明の理ではなく、一つの誓約であり、スイスの「セキュリティーズ・デポ」(証券保管振替機構)は、最も資産を簡単に預けることができる方法です。

 

これは、納税回避策ではありませんが、注意力と先見性、また多様性を持った計画です。金融情報の自動交換(AIA)の強要は、折に触れて邪魔者とみなされますが、現実には障害にはなっていません。

プライベートバンクの嘘と真実

プライベートバンクの嘘と真実

篠田 丈

幻冬舎メディアコンサルティング

スイスの伝統的プライベートバンク経営者が共著・取材協力! その実態が初めて明かされる! 相続税増税や海外資産の取り締まり強化など、富裕層が持つ資産に対する捕捉は厳しさを増す一方。そんな中で注目されているのが「…

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