ダウ・ケミカルとの経営統合は17年上半期に完了予定
【化学大手】
合成樹脂、合成繊維などを生産。高い技術力で世界ブランドとなる。多くのヒット製品を投入し続け、「テフロン」などの商標を保有している。事業再編。2011年、産業用酵素・機能性食品のダニスコを買収する一方、13年には高機能塗料事業を売却した。同年、モンサントと提携し、特許侵害訴訟の取り下げにも合意している。14年にはガラスラミネート加工事業をクラレ(3405/東証)に譲渡。15年、高機能化学部門をスピンオフする一方、ダウ・ケミカルとの経営統合を発表した(17年上半期の完了を予定)。
前年同期比より売上高は減少するも、純損益は黒字転換
【足元動向】
第4四半期(10~12月)は売上高が前年同期比1.66%減の52億1100万ドルに落ち込む一方、純損益が2億6500万ドルの黒字に転換した(前年同期は2億5300万ドルの赤字)。希薄化後EPSは0.30ドル、継続事業ベースの希薄化後EPSは0.29ドル。売上高、同ベースの希薄化後EPSはともに市場予想(それぞれ53億1600万ドル、0.365ドル)を下回る。
部門別の売上高は、エレクトロニクス&コミュニケーションズ゙が5.67%増の5億2100万ドル、工業バイオサイエンスが1.00%増の4億100万ドル、ニュートリション&ヘルスが0.24%増の8億900万ドル、パフォーマンスマテリアルズが3.66%増の13億3100万ドルに伸びたものの、主力の農業関連が10.12%減の13億9300万ドル、プロテクションソリューションが0.41%減の7億1700万ドル、その他が18.75%減の3900万ドルに細った。コスト削減で損益は黒転。売上原価、販管費、研究開発費などの圧縮で、継続事業ベースの税引き前利益は3億5300万ドルの黒字に転じた(前年同期は4億2100万ドルの赤字)。リストラ費用、資産減損などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は0.51ドルとなる(市場予想は0.418ドル)。