今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「シスコシステムズ」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2017春号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

 

2016年に「CliQr」「CloudLock」を買収

【ネットワーク機器大手】

通信業者・一般企業向けルーター、イーサネットスイッチ、IPコミュニケーション製品、ネットワークセキュリティー製品、ワイヤレス(無線LAN)製品などを生産する。事業再編。成長率の低い従来事業の最適化実施に加え、優先分野(セキュリティ、IoT、コラボレーション、次世代データセンター、クラウドなど)への投資拡大で、2016年には、IoTサービスプラットフォーム(クラウドベース)の「Jasper」、アプリケーション定義型クラウド管理プラットフォームの「CliQr」、クラウドセキュリティの「CloudLock」を買収した。

前年より落ち込んだ売上高だが、市場予想は上回る

【足元動向】

第2四半期(16年11月~17年1月)は売上高が前年同期比2.90%減の115億8000万ドル、純利益が同25.38%減の23億4800万ドルに落ち込んだ。売上高、希薄化後EPS(0.47ドル)はともに市場予想(それぞれ115億4400万ドル、0.435ドル)を上回る。部門別の売上高は、「サービス」が4.92%増の30億8900万ドルに伸びる一方、主力の「製品」が5.47%減の84億9100万ドルに縮小した。

 

地域別の売上高は、米州が4%減の66億6000万ドル、欧州・中東・アフリカが1%減の30億6500万ドル、アジア太平洋・日本・中国が4%減の18億5500万ドルと軒並み細っている。コスト増で利益も下向く。総営業費用が5.92%増加するなか、全体の営業利益は12.17%落ち込んだ。法人税負担が286.79%膨らんだため、最終利益はさらに押し下げられた。

 

株式報酬関連費用、買収関連の無形資産償却などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は0.57ドルとなる(市場予想は0.562ドル)。会社側は第3四半期の増収率をマイナス2%~横ばい、希薄化後EPSを0.44~0.49ドル、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を0.57~0.59ドルと予想した。

 

 
*地域別売上構成の合計は99.9%
*地域別売上構成の合計は99.9%
米国株四半期速報 2017年春号

米国株四半期速報 2017年春号

亜州IR株式会社

亜州IR株式会社

米国企業への投資を考える個人投資家がここ数年で非常に増えてきました。弊社米国株四半期速報は2012年春号の初版から5年に渡り、四半期ごとに発行。米国株投資家必携のハンドブックとして親しまれてきました。編集の基本方針…

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