民間航空機事業では「エアバス」とシェアを二分
【航空機大手】
民間航空機や防衛・宇宙関連製品を生産。航空・宇宙メーカーとしては世界最大規模を誇る。1997年に民間機分野でマクドネル・ダグラス社と合併、民間航空機事業ではエアバスとシェアを二分する。
防衛・宇宙・セキュリティ部門は、世界各国の政府、軍隊、民間企業を対象にサービスを提供。戦闘機、爆撃機、輸送機、空中給油機、回転翼機、ミサイル、各種軍需品の生産、改造、サポートなどを軍民両用に行うほか、ネットワーク・セントリック・オペレーションや通信、偵察、諜報テクノロジーなどを手掛ける。同部門の売り上げの約64%が米国防総省向けで、米航空宇宙局(NASA)も大口顧客となっている(2016年12月期末)。
各種コストの低減が寄与し、営業利益は増加
【足元動向】
第4四半期(10~12月)は売上高が前年同期比1.21%減の232億8600万ドルに縮小する一方、純利益が同58.96%増の16億3100万ドルに拡大した。売上高、希薄化後EPS(2.59ドル)ともに市場予想(それぞれ231億1200万ドル、2.377ドル)を上回る。
営業利益は88.02%増の21億8300万ドルに拡大した。各種コストの低減が寄与。製品コストが4.50%、サービスコストが15.72%、研究開発費が19.77%ずつ圧縮されている。部門別では、商用航空機の売上高が0.88%増とプラス成長を確保。商用航空機185機を出荷した(前年同期は182機)。
一方、防衛・宇宙・セキュリティ部門は苦戦。同部門の売上高は、11.88%減の68億6000万ドルに落ち込んだ。年金・退職関係収益などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は2.47ドルとなる(市場予想は2.322ドル)。会社側は17年度の売上高を905億~925億ドル、希薄化後EPSを10.25~10.45ドル、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を9.10~9.30ドルと予想した。