今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「ボーイング」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2017年春号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

 

民間航空機事業では「エアバス」とシェアを二分

【航空機大手】

民間航空機や防衛・宇宙関連製品を生産。航空・宇宙メーカーとしては世界最大規模を誇る。1997年に民間機分野でマクドネル・ダグラス社と合併、民間航空機事業ではエアバスとシェアを二分する。

 

防衛・宇宙・セキュリティ部門は、世界各国の政府、軍隊、民間企業を対象にサービスを提供。戦闘機、爆撃機、輸送機、空中給油機、回転翼機、ミサイル、各種軍需品の生産、改造、サポートなどを軍民両用に行うほか、ネットワーク・セントリック・オペレーションや通信、偵察、諜報テクノロジーなどを手掛ける。同部門の売り上げの約64%が米国防総省向けで、米航空宇宙局(NASA)も大口顧客となっている(2016年12月期末)。

各種コストの低減が寄与し、営業利益は増加

【足元動向】

第4四半期(10~12月)は売上高が前年同期比1.21%減の232億8600万ドルに縮小する一方、純利益が同58.96%増の16億3100万ドルに拡大した。売上高、希薄化後EPS(2.59ドル)ともに市場予想(それぞれ231億1200万ドル、2.377ドル)を上回る。

 

営業利益は88.02%増の21億8300万ドルに拡大した。各種コストの低減が寄与。製品コストが4.50%、サービスコストが15.72%、研究開発費が19.77%ずつ圧縮されている。部門別では、商用航空機の売上高が0.88%増とプラス成長を確保。商用航空機185機を出荷した(前年同期は182機)。

 

一方、防衛・宇宙・セキュリティ部門は苦戦。同部門の売上高は、11.88%減の68億6000万ドルに落ち込んだ。年金・退職関係収益などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は2.47ドルとなる(市場予想は2.322ドル)。会社側は17年度の売上高を905億~925億ドル、希薄化後EPSを10.25~10.45ドル、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を9.10~9.30ドルと予想した。

 

 
*売上構成はその他・内部調整を除いたベースで算出
*売上構成はその他・内部調整を除いたベースで算出

 

米国株四半期速報 2017年春号

米国株四半期速報 2017年春号

亜州IR株式会社

亜州IR株式会社

米国企業への投資を考える個人投資家がここ数年で非常に増えてきました。弊社米国株四半期速報は2012年春号の初版から5年に渡り、四半期ごとに発行。米国株投資家必携のハンドブックとして親しまれてきました。編集の基本方針…

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