今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「アメリカン・エキスプレス」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2017年春号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

 

米国が主力だが、欧州や日本のウエートも大きい

【クレジットカード大手】

クレジットカードやトラベラーズ・チェックをはじめとする旅行関連業務、法人向けやプライベートバンクを主力とする銀行業務、その他金融サービス全般(投資信託、保険業など)を世界各地で展開。

 

1891年、トラベラーズ・チェックを世界で初めて開発・発行したことで知られる。主な業務エリアは米国だが、欧州や日本のウエートも大きい。有力ファンドが筆頭株主。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の傘下企業、バークシャー・ハサウェイが同社の発行済株式の16%超を保有している(2016年12月期末)。

第4四半期の売上高・純利益は前年同期比を下回る

【足元動向】

第4四半期(10~12月)は売上高が前年同期比4.39%減の80億2200万ドル、純利益が同8.23%減の8億2500万ドルに落ち込んだ。売上高が市場予想(79億5400万ドル)を上回る一方、希薄化後EPS(0.88ドル)は予想(0.99ドル)を下回る。減益にもかかわらず、希薄化後EPSが前年同期(0.89ドル)並みにとどまったのは、発行済み株式総数を減らしたため。

 

部門別の売上高は増減まちまちで、国際カードサービスと世界商用サービスが1.62%、0.76%ずつ増える一方、主力の米国カードサービスとグローバル・マーチャントサービスが10.19%、7.05%ずつ減った。全体の税引き前利益は、20.15%減の11億6100万ドルに縮小。総費用が2.02%減少したものの、減収が響いている。

 

コスト面では、前年同期に計上した減損損失・事業再編費用(4億1900万ドル)やコストコ関連報酬費用がなくなる一方、「成長イニシアチブ」への投資コストが急増したほか、コスト削減に向けた事業再編費用(5000万ドル)を計上した。事業再編費用を除いた場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は0.91ドルとなる(市場予想は0.986ドル)。会社側は17年通期の希薄化後EPSを5.60~5.80ドルと予想した。

 

 
*1*2売上構成、地域別売上構成はその他・内部調整を除いたベースで算出
*1*2売上構成、地域別売上構成はその他・内部調整を除いたベースで算出
米国株四半期速報 2017年春号

米国株四半期速報 2017年春号

亜州IR株式会社

亜州IR株式会社

米国企業への投資を考える個人投資家がここ数年で非常に増えてきました。弊社米国株四半期速報は2012年春号の初版から5年に渡り、四半期ごとに発行。米国株投資家必携のハンドブックとして親しまれてきました。編集の基本方針…

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