日本とハワイの不動産における「管理費」の違い

前回は、ハワイ不動産にかかる「固定資産税」の詳細について解説しました。今回は、日本とハワイの不動産における「管理費」の違いを見ていきます。

修繕積立金や水道代も「込み」となるハワイの管理費

今回は、「管理費」について、日本とハワイの違いを説明します。前回、ハワイはアメリカで最も固定資産税が安い州である、とお伝えしましたが、管理費についてはどうでしょうか? 「日本に比べるとハワイの管理費は高い」という話をよく聞きますが、果たしてそうなのか、実際に日本とハワイの管理費事情を比較してみましょう。

 

日本における「管理費」とは、マンション等を所有した際の「建物管理」の費用を指します。エレベーターの点検や共用部分の清掃、管理員の窓口業務など日常的な業務を行うためのものです。


「コンシェルジュ」がいるマンションや、ゲスト用宿泊ルーム、共用のプール、高層階にバーが設置されたりと、各ディベロッパーが他物件との差別化をはかるために、このような様々なアメニティを用意している物件が増えました。これらのアメニティですが、当然購入後は居住者の費用負担で維持をしていかなければなりません。その維持管理に必要なコストを各所有者の持分に応じて費用負担をしたものが「管理費」です。

 

もう一つ、日本には「修繕積立金」という別立ての積立を行うのが一般的です。上記の管理費が日常業務に使用される費用なのに対して、「修繕積立金」は外壁補修や屋上防水、配管工事など、建物の長期メンテナンスを目的として徴収されるものです。この毎月の「管理費」と「修繕積立金」の徴収の仕組みは、日本においては一般的な枠組みかと思います。

 

ではハワイはどうなっているのかと言うと、ハワイにおいては管理費のことを「Monthly Maintenance Fee」や「Home Owner’s Association Fee(HOA)」と呼びます。ハワイと日本の大きな違いは、ハワイにおける「HOA」には、日本でいうところの修繕積立金はもちろん、上下水道代、ガス代(給湯含む)、インターネット代、ケーブルテレビ代なども全て込みになっているところが多い点です。

 

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何がどこまで含まれているかは物件によって若干の差はありますが、いわゆる光熱費の中では「電気代」が個別に請求され、その他はHOAに含まれているケースが大半です。
ですので、日本人目線で見たときの「管理費」とハワイの「HOA」を単純比較してしまうと、当然その他コストも含んでいる「HOA」が高く感じてしまうかもしれませんね。

ハワイの主要物件のHOAはどうなっている?

では、その点も踏まえ、実際に日本のマンションとハワイのコンドミニアムの管理費を比較してみましょう。

 

まずは、日本の管理費を見てみます。東京都港区にある高級マンションをいくつかピックアップし、「管理費」「修繕積立金」の合計額の㎡単価を見てみると、平均で約500円/㎡前後で設定されているところが多いようです。ハワイのコンドミニアムで、最も日本人が購入している価格帯は80万~120万ドルになるため、日本でも同等の価格帯の物件を無作為に抽出しています。

 

ここに、通常日本では別払いになる下記の項目を加えます。

 

①上下水道代:10,000円
②ガス代:15,000円
③インターネット代:5,000円
④ケーブルテレビ代:5,000円


こちらは保守的に見積もった概算ですが、だいたい月々このくらいは支出があるのではないでしょうか? 合計で35,000円となりますので、80㎡の部屋であれば437円/㎡が上記の管理費・修繕積立金にプラスされ、合計で937円/㎡になります。もちろん物件によって、また光熱費の利用状況によってこの金額は上下します。あくまでも日本とハワイの比較のための数字ですので予めご了承下さい。


なお、937円/㎡を、ハワイ不動産の面積の単位であるSquare Footageに換算(1㎡ ≒ 10.76 sqft)すると、87円/sqftとなります。1ドル=110円で計算すると、約0.79ドル/sqftということになります。

 

では、ハワイの主要物件のHOAはいくらかというと、概算ですが下記のようになります。

 

[図表]ハワイ物件のHOA(概算)


こちらをご覧頂くと、いわゆるホテルコンドタイプのほうが通常のコンドミニアムよりもHOAが高く設定されていることがお分かり頂けるかと思います。これは、通常のコンドミニアムと比較すると、管理スタッフの人数が多くなるため人件費が増加することや、ホテル機能のアップグレードを常に行うことにより、維持コストがかさんでくるということです。もちろん、ホテルのグレードによっても行うことが違うため、ホテル形式であれば全て高いわけではありません。

 

日本のマンションと比較をするのであれば、通常のコンドミニアムとの比較が良いかと思いますが、上記12件のコンドミニアムの平均HOAは0.91ドル/sqftということで、日本よりも10%程度高い設定になっています。

 

ただし、ここに挙げたプロジェクトは、どの物件もプールやフィットネスジム、バーベキューコーナーなど、共用のアメニティがとても充実している物件ばかりになるので、相対的に考えれば十分満足のいく設定になっており、一概に「日本に比べて高い」ということではないのではないかと思います。特に、米国では物件が古くなっても資産価値はほとんど目減りしませんが、それもこのHOAを有効に活用し、しっかりとした維持管理を日常的にも定期的にも行っていくことが非常に重要です。

 

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ハワイに不動産を所有するにあたり、「固定資産税」と「管理費」は維持コストの中でも約90%を占める大きなコストになります。購入にあたっては、これらの費用についても事前に確認が必要です。その上で、不動産を賃貸して維持コストをペイするのか、維持コストの自己負担を覚悟して別荘利用をするのか、どちらが良いのかを検討すべきかと思いますので、是非ご参考にして下さい。

 

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株式会社Crossover International 代表取締役

仙台第一高等学校、法政大学経済学部経済学科卒業。宅地建物取引士。
2002年より某大手ディベロッパーにて一棟物件、区分所有物件の事業用不動産の販売を手掛け、2005年より中古不動産のバリューアップに特化した不動産会社の創業・ブランディング構築に携わる。2008年より株式会社Seven Signatures Internationalにおいて、主に米国ハワイのホテルレジデンス・ラグジュアリーコンドミニアムプロジェクトの日本の超富裕層マーケティングのセールディレクターに就任。2017年に株式会社Crossover Internationalを設立。

WEBサイト http://www.crossover-international.com/

著者紹介

連載田村仁のホノルル不動産通信

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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