スマホアプリによって、素人でも経理仕訳が可能に
現在、小規模企業におけるクラウド会計ソフトの普及は発展途上の段階ですが、今後さまざまな面でのメリットが浸透すれば、2〜3年後には普及すると予測されます。クラウド会計ソフトを導入すると、スマホが経理仕訳の入力ツールとして使えるようになることもその一つです。
たとえば、STREAMED等のスマホの専用アプリを使って領収書を写真撮影し、画像を取り込みます。推定仕訳が画面上に表示され、「これでよいですか?」と聞かれたら、ユーザーは「はい」と答えるか、または分からなければ「はい」と答えてから仕訳のメモとして「?マーク」を入れておくだけで、後で顧問税理士らが直してくれます。
数年後には「経理仕訳」やユーザーの「はい」「いいえ」「分からない」をスマホから音声入力でできるようになるでしょう。さらには、推定仕訳の時点でそれぞれ推定された経理仕訳の情報を、「はい」「修正」「保留」のいずれかのファイルに分類して推定仕訳すればよいことになります。
「推定仕訳」に「?マーク」を付ければ、とりあえず、経理の素人による「入力時点」での処理は可とし、会計事務所が試算表の検証をする時点で、それを「見直し」すればよいという流れになります。
小規模企業の経理現場の仕訳は作業量が多く、誰もが嫌がるものでしたが、クラウド会計ソフトの導入により、現場作業の負荷が減ります。
さらにいえば、「経理仕訳の外注」という不人気商売が、一気に「儲かる商売」に変身する可能性も高まっています。
クラウド会計ソフトで、経理の在宅化が進む!?
いま、経済界では、「クラウド会計ソフト」とそれを活用した「在宅勤務による経理(以下、在宅経理)」をキーワードとして、小規模企業の経理環境に大きな変化が起こっています。それには次の3つのメリットがあるからです。
①利便性の向上
無料か格安で利用でき、いつでも、どこからでも、誰でもPCやスマホ、タブレットでインターネットにアクセスが可能です。
②労働環境の改善、新しい働き方の提案
経理運営の形態として、企業(会社または個人事業)の経理処理の大部分を「働き手の在宅ワーク」で賄う労働環境がつくれます。そして、そのような経理運営がここ2、3年で急速に小規模企業から支持され始めました。
③経理コストの削減
人件費や会計事務所への委託費等を削減できます。20年前は、税理士費用も年間100万円かかる時代でしたが、たいていは、それを20分の1〜10分の1程度に減らせる可能性があります。
たとえば、年商5000万円程度の小規模企業の税理士費用は、個人事業では消費税申告を含め年5万円、法人でも7万円程度で済む経理環境が生まれています。