前回に引き続き、Yes/Noチャートを活用し、肩の痛みの重症度をタイプ別に見ていきます。今回は、タイプ③です。

[図表]「Yes/Noチャート」で”実は気づいていない重症度”を30秒診断

 

タイプ③:腕が動かしにくく、可動域にも制限が…

[実は気づいていない重症度★★★]

 

このタイプの人は、四十肩・五十肩の炎症が治れば痛みはほとんどなくなりますが、それまで痛みをかばって肩を動かさずにいたことで肩関節周辺の筋肉や関節包が硬くなったり癒着して、動かしにくくなっている(拘縮)慢性期にあります。

 

日常生活で困ることは少ないものの、大きく手を動かすときに動きづらかったり、洗濯物を干したり布団を上げるなど腕を高く上げづらい、上着の着脱がしづらい、腕を後ろに回せないといった可動域制限が出てきます。

 

したがって、この時期には動きにくくなっている肩の動きを、積極的に動かしていくことが大切です。動かしづらいからといって動かさずにいたり、つらい痛みが取れたことで安心して、その後のケアを怠ると肩周囲の筋肉も硬くなり、完全に肩が硬くなって動かなくなります。つまり、肩を長期間動かさないことで、肩を動かすために必要なインナーマッスルなどが衰えていくのです。

専門家から正しいリハビリ指導を受ける

また、痛みがあると無意識に痛みの出ないラクな姿勢をとるために猫背になりやすく、その姿勢に慣れてしまうと正しい姿勢に戻すのにも時間がかかってしまいます。

 

四十肩・五十肩は自然に治りますが、自然に任せていると治るまでに1年前後を要するうえに、多くの場合で可動域制限が残っているのが現状です。

 

その場合、どの方向にどれだけ制限されているのかは人によって異なり、拘縮を起こしている関節包にアプローチして改善させるリハビリと、制限されている方向に関わるインナーマッスルやアウターマッスルを柔らかくする運動の両方が必要ですが、これは自己判断で行えることではありません。自己判断で間違った筋トレを行った結果、症状を悪化させたり、腱板が切れてしまうケースもあります。

 

ですから、痛みがなくても可動域制限がある場合は早めに医療機関を受診し、専門家による正しいリハビリやストレッチ法の指導を受けることが大切です。それが、回復を早める結果にもつながります。また、痛みが1年以上続いているときは、四十肩・五十肩ではない可能性がありますので、この場合も受診してMRI検査を受けたほうが良いでしょう。

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