前回に引き続き、「Yes/Noチャート」を使って肩の痛みの重症度をタイプ別に見ていきます。

[図表]「Yes/Noチャート」で”実は気づいていない重症度”を30秒診断

 

タイプ②:俗にいう四十肩・五十肩だが…

[実は気づいていない重症度★★☆]

 

このタイプの人は、肩に炎症を起こしており、痛みが現れていますので四十肩・五十肩といえます。したがって、痛みへの対応がポイントとなり、この対応を間違えると痛みを長引かせたり、痛みが取れた後も肩が硬くなって動きが制限されることがあります。

 

肩痛の多くは四十肩・五十肩ですが、中にはレントゲンを撮ってみると「石灰性腱炎」といって、肩に石灰が沈着していることもあります。これも広い意味では四十肩・五十肩の病態として考えられていますが、ほとんどの人はレントゲンを撮っても異常は認められません。

 

痛みは、その度合いによって「急性期」「亜急性期」「慢性期」の3段階に分けられます。人によって治まるまでの期間は異なりますが、四十肩・五十肩は必ず一定の経過をたどって進行していきます。

 

急性期は、炎症が起こったばかりで痛みが激しく、肩を動かすことができません。それに加えて安静にしていても痛かったり、夜間痛が出る場合もあります。

 

急性期が過ぎ、痛みが和らいできたが亜急性期です。この時期は、組織の修復が始まってきますので、じっとしていると痛みはありませんが、洗顔や洗髪、シャツに腕を通そうとしたときなど、肩や腕を動かすときにまだ痛みが生じます。

 

そして、徐々に痛みが軽減して亜急性期が過ぎると、慢性期を迎えます。この時期になるとほとんど痛みがなくなり、日常生活もほぼ普通に送れるようになりますが、拘縮といって肩が硬くなった状態となり、可動域が制限されます。その後、肩が柔らかくなって元通りに回復します。

自己判断を避け、医療機関の受診を

このように3段階を経て治癒していくわけですが、それぞれの時期で治療法が異なりますので、自分がどの段階にあるかを知ることが大切です。ここでは、「痛み」がメインとなる急性期から亜急性期までがタイプ2となります。

 

特に、亜急性期ではスムーズに慢性期に移行し、肩の可動域制限の期間を短くするようなリハビリも重要になってきます。この時期に正しい治療を行うことが、それ以降の慢性期における拘縮や癒着に伴う疼痛と可動域制限の予防になります。したがって、自己判断で間違った対処を避けるためにも、この時期に医療機関を受診したほうが良いでしょう。

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