シャンプーなしのお湯洗いなら、髪が傷まずふさふさに
薄毛を予防・改善するうえで大切なシャンプー術には諸説ありますが、私が個人的におすすめしたいのは、お湯だけで髪を洗うことです。
じつは私自身、もうかなり前からシャンプーは使用していません。お湯だけで髪を洗っています。ぬるま湯を使い、手ぐしの要領で丁寧に髪を洗って汚れを取りながら、頭皮をマッサージするのがおすすめです。そうするだけで整髪料などもきれいに落とすことができます。
これは20代後半から30代半ば頃まで薄毛で悩んでいた私が、シャンプーのしすぎも髪によくないのではないかと思い、始めたことです。
著書の「あとがき」にも書いたように、その後、私は自らのクリニックで、「細胞成長因子注入」と内服薬での治療を実践しました。そのおかげで豊かな髪を取り戻すことができたのですが、それに加えて、お湯だけの洗髪を習慣にしたところ、より髪にボリュームが出て、ふんわりと立ち上がるようになりました。
お湯だけの洗髪をしていると、最初は頭皮のかゆみを感じるかもしれません。そのうちに慣れていきますが、どうしても気になる場合は、シャンプーを使うのは週に2~3回に抑え、それ以外の日をお湯だけの洗髪にするといいでしょう。
お湯だけというのは極端に思われるかもしれませんが、少なくとも、肌に合わないシャンプーは使わないこと。シャンプーで頭皮が赤くなったり肌荒れを起こしてしまった場合、悪化すると脂漏性皮膚炎になり、それが薄毛の原因になることもあります。
シャンプーをオーガニックなものや石鹸シャンプーに変えたり、シャンプーなしのお湯洗いにすることで、改善できるでしょう。
シャンプー後は髪をしっかり乾かすことが重要
シャンプー後の髪の手入れはどのようにすべきでしょうか。
お湯だけで洗うにしても、シャンプーを使うにしても、洗髪したあとは必ずしっかりと髪を乾かすことが重要です。その理由は主に2つあります。
まず1つめの理由は、髪は浸透性が高く、水を吸収して膨張することにあります。膨張した髪は乾いた髪と比べると、髪をとかすときに摩擦がかかりやすくなります。そのためダメージを受けて、抜け毛の原因になってしまうのです。
2つめの理由は雑菌の繁殖です。髪や頭皮を湿ったまま放置すると、蒸れて雑菌が増えてしまいます。濡れた髪や頭皮のように湿気がある空間では雑菌が増殖しやすくなるからです。こうして増えた雑菌は皮脂をえさにして増加します。そのせいで一時的に皮脂が減ると、体はよけいに皮脂の分泌を活発に行うため、結果的に皮脂が過剰分泌されてしまいます。
先のシャンプーの悪影響の項でもお話ししたように、皮脂の過剰分泌は薄毛の原因になります。そこで洗髪後、タオルドライしたあとはすぐにドライヤーを使って、しっかりと髪を乾かしましょう。ただし、ドライヤーの高温は髪にとってよくありません。なるべく髪から距離を離して当てるようにしてください。