「最初に何を尋ねるか」で企業姿勢がわかる
情報収集の後、印象がよく興味を持った住宅会社と初めて接点を持つのが「相談」です。当然、営業マンが窓口となりますが、まず何について尋ねてくるかが、住宅会社選びの大きなポイントの一つになります。
「土地はありますか?」「ご予算はどのくらいですか?」「年収はいくらぐらいでしょうか?」と事務的に尋ねてくる場合は要注意です。たとえどんなに物腰が柔らかで、丁寧だったとしても、うたぐってかかるべきです。土地と予算がある程度確保出来ていれば、一気に話を進めることが出来るため、こうした質問は、「家」がすぐに建てられるかどうか=早く契約出来るかどうかを手っ取り早く知るためのものです。この段階ですでに、施主の意向や希望、どんな「家」に住みたいかはすでに二の次にされているわけです。
「家」をただ売るのではなく、施主主体で一緒に造り上げていくという意識を持っている住宅会社であるのならば、「どのように暮らしたいですか?」といったライフプラン、ライフスタイルをまず尋ねてくるべきだからです。
「家」は高額な買い物です。賃貸物件を探しているのとは違います。しかも、注文住宅である以上、これから自分たち家族の夢を形にして造り上げていくことになります。そのパートナー選びですから、その住宅会社の求めているもの、顧客に対する本当の気持ち、つまりは企業姿勢を知ることが何より大切です。その企業姿勢は、最初に対面した営業マンもまた体現しているはずなのです。
ライフプランより予算を気にする営業マンには注意を
次回、詳しく説明しますが、私どもでは独自に信頼できるFP(ファイナンシャルプランナー)の方と業務提携をしています。そして、相談に見えた方、特に土地から探している方にはライフシミュレーションから入っていただきます。
そうした際に、すでに不動産会社に行ったことがある人には、「いきなり、年収を聞かれませんでしたか?」とお聞きすると、ほとんどの方が「聞かれた」と答えます。加えて「自己資金がいくらあるか」「親からの援助は得られるか」と畳みかけられた経験を持つ人は多いはずです。この3つを足し合わせれば、そのお客さんが出し得る最大の金額がわかるわけです。どれだけ資金を引っ張れるのか、さらに年収と勤続先を聞くことによって、その人がいくら借りられるのかもわかります。
本来はライフプランによって、年収や予算などが同じような条件の家族でも、家づくりにかけていい資金が同じわけはありません。しかし、多くの営業マンはいくら借りられるかでさっさと動いてしまうのです。この点は、会社選び、営業マン選びをするうえで、非常に重要なポイントです。