前回は、住宅会社選びで重要な「永い付き合いが出来る」という視点を解説しました。今回は、「打ち合わせ議事録」の作成を住宅会社任せにしてはいけない理由を見ていきます。

どんな住宅会社を選んでもトラブルのリスクはあるが…

読者の皆さんの中には、ある程度家づくりが進んでいる人や、契約は済ませたけれどなんとなく不安感を抱いている人も少なくないでしょう。あるいは、ここまで読んできて、「もしかしたら自分は失敗してしまったのではないか?」と疑心暗鬼にかられている人もいるかもしれません。

 

ブランド力、工法やデザインなどの独自性、あくまでも価格重視、営業マンの人柄、お客様重視の企業姿勢……などなど住宅会社選びの決め手となった基準も、それぞれに異なるはずです。しかしながら、どんな基準で選んでも多かれ少なかれ何らかのトラブルが発生する可能性はあります。

 

もしも、「不本意な契約をしてしまったのではないか?」と感じたり、住宅会社の対応に疑問を抱いたりしているなら、とにかく「自分の家は自分で徹底的に守る」ことに尽きます。

 

では、どうやって守ったらいいのでしょうか。いくつかの対策を挙げて説明していきましょう。

文書や写真などの記録を残し、もしもの際の証拠資料に

「言った、聞いていない」「説明されていたものと違う」といった説明や資料不足、発注ミスなどは、良心的な住宅会社でも起こり得るトラブルです。小さな行き違いが、出来上がってみたら大きな失望になることもあります。このトラブルを防ぐ最大の方法は、記録に残すことに尽きます。

 

現在、住宅会社の多くが、「打ち合わせ議事録」を打ち合わせのたびに作成し、いつ何を打ち合わせたか、決定したかを記録しています。こうした記録も住宅会社任せにせず、自分の議事録に決定事項や確認内容を記しておくことは、万一トラブルが発生したときの大きな証拠になります。最近では、確認や打ち合わせを担当者とのメールでやり取りをするケースも多いと思います。こうしたメールやファックスのやり取りも重要な記録の一つになります。

 

そして、もう一つ、欠陥や手抜き工事を防ぐ(あるいは発見する)ために有効な方法が写真、映像による記録です。プロではないからどこをチェックしていいのか、撮影したらいいのかわからないという声も聞こえてきそうですが、壁の内側など見えない部分に隠れてしまったら撮影出来ません。

 

とにかく工事状況を出来るだけくまなく撮影、記録することが大切です。残された写真の中から、のちに欠陥や手抜き工事が発覚することもありますし、万一裁判になった場合でも、証拠資料として提出することが出来ます。

本連載は、2017年4月12日刊行の書籍『改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

貞松 信人

幻冬舎メディアコンサルティング

人生を左右するほどの大きな買い物である「家づくり」。「家づくり」は購買経験を積むことが出来ないため、何が正しくて、何を基準にすれば良いかわからない、とても難しい買い物です。 あるアンケート調査では、注文住宅を…

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